「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」
ブラッド・ピット主演。
ケイト・ブランシェットがヒロインを演じる。
老人として生まれ、年を取ると共に若返っていく男の話。
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死を間近にした老女が病院のベッドに横たわり、
その娘が老女に頼まれて日記を朗読する。
それはベンジャミンという男が書いたものだった。
そこで語られていくベンジャミンの人生。
80代の老人で生まれて、成長と共にだんだんと若くなっていく。
身長も人生経験も幼児なのに見ためは老人であるために、
老人として応対される彼を、養母は慈愛をもって暖かく育てるのであった。
・・・といった序盤から始まる映画。
叙情的で美しい画面で語られる、絵本のような映画だと思いました。
でね。
そもそも寓話的なお話なんですよね。
最初に盲目の時計職人が出てきて逆に進む大時計を作ってみせるように、
不思議な世界を美しい画面で語っていく映画なわけなんですよ。
しかし、見ているうちに、だんだん、
老人として生まれて、年をとると共に若返っていくベンジャミンが、
重い難病を持って生まれた子供に見えてくる。
じわじわ効く特効薬が発明されて7才くらいから投与を始めて
年単位で効果が出て、10年後には職にありついて自活できるようなり、
すっかり健康なオトナになった彼は幼なじみの女性と再会を遂げる。
彼は彼女との生活を楽しみながらも、人生の最終章でおとずれる
「副作用」をおそれていた・・・、というような映画に。
ファンタジーな設定のはずが、妙にリアリティのあるストーリーに。
なので、手のかかる子供になってしまうことを恐れた彼が
姿を消すあたりで、「えー、それはまだ早いでしょ!」と思ってしまった。
ホントのところは若くて元気な身体から湧き上がってくるエネルギーで
じっとしていられなかった、ということかもしれないけど、
そのエネルギーを愛する人たちのために使うことはしなかったのかな、と。
ま、いいんですけどね。
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あと、ブラッド・ピットもケイト・ブランシェットも良いけど、
もっと若い俳優さんたちの方が良かったんじゃないかなあ。
だって、若くするよりも老け特殊メイクの方が簡単だもん。
たとえばナタリー・ポートマンとか。