ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

おむすび

きのうの朝ドラで俵型のおむすびが出てきてとてもうれしい。

映画だの雑誌だのマスコミで見かけるものはいつも三角△おむすびで、

四角い海苔がおなかについていて、

中身はホロッとほぐれるのが良いとされている。

私の慣れ親しんだおむすびは俵型だ。

実家で母が作ってくれたおむすびはいつもそうだ。

きのうのテレビで出てきたものより少し小さい。

ずっと、そういうものだと思っていたが、

中学入学と共に関東に引っ越してきて、

自宅以外で見かけるおむすびは、みんな三角。

クラスメートによれば、「それが普通なんじゃないの?」

うーん、そういうものか。

それで一度は三角おむすびを作ろうとしてみたのだが、

どうもうまくいかなくて挫折した。

以来、開き直って俵型である。

娘はとにかく食が細かったため、

幼稚園のお弁当には毎回、おむすびを入れた。

子供サイズの小ささの縮尺で、

真ん中に具を入れようとするとある程度の大きさが必要になるので

混ぜ込んだご飯にして(おむすび山にはずいぶんお世話になりました)

食べかけでずーっと手に持っていても崩れないように、みっしり握る。

さらに、崩れにくいように、かつ美味しいから、

表面をみっしり海苔でカバーしてしまう。

かくして、ミニサイズの、真っ黒の俵型おむすびができる。

今は育ったので少しだけ大きくしようかと思うけど、

寝ぼけながら毎日作っていた感触を手が覚えていて、

やはり作り慣れたサイズのものが作りやすいようだ。

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昔、友人が自分で作ってきたというおむすびを見て

びっくりしたことがある。

夕食を食べる時間がないから、と取り出したおむすびは、

3~4個分は優にある大きさだった。

中には3種類の具が入っていて、ちゃんと形を保っている。

彼女は可愛くて、髪が長くて清楚な雰囲気で、

いつも品の良い格好をしている音大生だった。

一瞬、その豪快なおむすびはミスマッチだと思ったが、

すぐに、いやこれは彼女にしか作れないなと思い直した。

彼女はピアノ科で、シューマンが弾ける手の持ち主。

彼女のピアノを弾く姿はさぞかし優美であろうと思われるが、

本人いわく、「毎日、握力を鍛えてます」。

手が大きくて力もないと、ああいうおむすびは作れませんよね。