ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「ハチミツとクローバー」

すごく良かった。

原作に思い入れのある作品ってのはどうしても点が辛くなったり、

観る上で思い入れが邪魔になったりするものだと思っていたけれど、

本当に良い作品に仕上がっていればそんなものは関係ないのだと知った。

はぐちゃんが小さくなくても全く問題なし。

にゃんざぶろうに竹本くんが入っていても問題なし。

原作に全く無い台詞がたくさんあったり、

エピソードやストーリーの流れが変わってたりするのに、

なぜこれほどまでに原作に忠実だと感じることができるのだろう?

特に森田さん。

すげえ。

まさにあんなイメージだよね。

原作にないシーンやセリフにも、

森田さんだったら絶対ああ言うだろう、と思う。

この時間内に、よくうまくムリなく、

はぐちゃんの学内での浮き方とか、

竹本くんの模型作りと古い建築に対する興味だとか、

そういう細かいところまで描ききったものだ。

竹本くんも想像してたよりもずーっとずーっと良かった。

真山は、原作には全くない刑事さんの妄想シーンが面白かった。

たしかに周りから、それってストーカーなんじゃないの?って言われてたけど、

ここまではっきりストーカーとして描いちゃったんだねえ。

真山・・・もっとカッコイイイメージだったのに・・・。(笑)

でも理花さんが冷ややかで若干不健康そうな雰囲気なのがうまく出てた。

関めぐみの山田さんはスタイル抜群なところがぴったりだけど、

隣に並んだ俳優さんが格好良く見えないところが女優としてはどうなんだろう。

1人で立ってると綺麗なんだけど。

あの、作品に火を放っちゃうところが良かった。

原作で卒業制作に椅子をふりあげて破壊してしまうのは竹本くんだったけど、

賞をねらったりお金がからんだりして、「好きなものを」「楽しんで」作ることが

むずかしくなってくる、というのは7巻中盤のテーマだし、

森田さんが大物制作でノミをふるうシーンを映像化してくれたのがうれしい。

ただ、文句を言うとしたら、

はぐちゃんの描いてる肝心の絵画作品に魅力を感じないことかな。

もうちょっと・・・なんとかなりませんでしたか。

もっと見た人たちが「おっ」と思うような若手はいくらでも溢れてるでしょうに。

ともあれ。

はぐちゃんと森田さんを観るだけでも値打ちあり。

っつーか、よくこの作品の後であのテレビ版作る気になったな。

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8月25日追記。

火を放つシーンが好きだと書いたけど、

オブジェの制作者は辛いだろうな。

木彫なんて手がかかるだろうに、

愛情込めて作ってるだろうに、

作中ではああだし・・・最後にそうされることは了承済みだよね?

はぐちゃんの絵画作品って、制作者は絵本の人なの?

言われてみたら確かに、文字を入れると映えそう。