ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

永遠の旅人のお金持ち

出来るだけ税金を払わないで済むように、国外を転々とする大金持ちの人たちがいるのだそうだ。
その人たちのことを、「永遠の旅人」と呼ぶらしい。新聞記事には、63才の大金持ちの男の人が、ニューヨークの超高層マンションの窓辺で一人、日本の新聞を読んでいる姿の写真があった。

その人曰く「(アメリカでは)金持ちが尊敬され、気兼ねなく豊かさを楽しめる」のだそうだ。
税金が取られないよう、アメリカにいるのはビザ無しでいられる90日以内、日本にいるのは非居住者に分類されるように182日以内に抑えているのだそうだ。今は一人旅だけれど、いずれは妻と相続・贈与税のない国に移り、自分の資産をそっくり妻子に継がせるのが最終目的、・・・と記事には載っている。

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資産ができたから残りの人生は遊んで暮らせる幸せな人・・・なんだろうとは思うんだけど、どうもひっかかる。いや妬んでるわけじゃなくてね。

だって妻子がいるんだよね。
妻や子供と過ごすよりも、お金の方が大切ですか?
奥さんの方も、ダンナさんよりも浮いたお金のほうが好きですか?
まだ63才。今はまだまだ体力も気力もたっぷりあって、ジョギングしたりして楽しめるけど、10年後、20年後はどうするんだろう。年をとったからといって、急に子供や孫との距離を縮めようとしたってそれはムリというもの。いずれは妻と海外へっていったって、奥さんの方は今の居住地にしっかり根を張っていて、友達や住み慣れた家や子供や孫と離れたくないって言い出す可能性もあるのでは?

記事ではその男性はいかにも楽しんでます風な過ごし方が書いてあったが、その写真の後ろ姿がどこか淋しそうに思えてしまう。誰に転勤を命じられたわけでなく、単身赴任しなくても暮らしていける十分なお金があるのに、なぜか一人で転々としなければいけない(?)のは可哀想なかんじがする。

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高額所得者が、高額の税金を払う。
払いたくない人が国外に脱出する。
でも国は赤字だから税金が欲しい。
だから中低所得者にもっと税金を払わせる。
なんだかなあ、だ。

そこで考えるのだが、いっそのこと高額所得者にかかる税を2コース作って、選択制にすればよいのだ。一つは負担割合が低いコース、もう一つはめちゃめちゃ負担割合が高いコース。

そしてめちゃめちゃ負担割合が高いコースには、沢山オトクな特典がついてくる。

たとえば園遊会への招待状や総理大臣との会食、東京大学付属病院でのVIP待遇ならびに名医への紹介、ちょっと不審に思う電話や業者の身元確認を気軽に公安に頼める会員様特別ホットラインの設置、3親等以内の親族(子供や孫)の国立大付属小学校への入学(希望者のみ)、など。

カードのポイントを貯めて特典のグレードを上げるように、収めた金額や年数によって差があるとなお良し。海外ブランドの装身具なんかよりもずっとステイタスを物語ること間違いなし!奥様やお子さん御一家、かわいいお孫さんのためにどうでしょう?

なかなか良い商品だと思うんだがな。