ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「6才のボクが大人になるまで」

イーサン・ホークでしょ?

メイキングでいろいろ言ってるけど、何をしらじらしい。

この人は「恋人までのディスタンス」という映画を撮ってから

全く同じ配役・監督で8年後にその続きである

ビフォア・サンセット」という映画を撮影してるんですね。

実際の時間と同じ、8年後という設定で。

俳優さんたちが同じように実際に年を取る。

演技ではなくて。

これがすごく効果的ですごく面白かった。

もうぜったい3匹目のドジョウだと思う。

いや失礼、進化形と呼ぼう。

今度は子供で、一本の映画の中でやった。

6才の少年が大人になるまで。

主人公は6才の少年、そしてその家族。

姉がいて、母親がいて、父親がいて。

12年におよぶ撮影期間をかけて、

家族関係が変わっていく様と、時の流れを撮してみせた。

すごく自然なので、前半1時間くらいは、

(これなら一般家庭のホームムービーで良くね?)

と思ったけど、見終わる頃には、

(意図的に撮影しないとこうはいかないよね)

と思いました。

もっとも、脚本を作ってちゃんと演技して、というなら

日本には「北の国から」という金字塔があるので、

それには・・・いや比べちゃいけませんね。

撮り方も作り方も全然違うのだし。

それにしてもアメリカではステップファミリーが珍しくない、

とは聞くけれども、6才から18才までに、

ここまで大きな家庭環境の変化を経験しなくちゃいけないなんて、

本当に大変だなあと思いました。

母親が2人目の父親と結婚して裕福な生活になり

兄弟も増えてとても楽しくなったと思ったのに、

父親がアル中DV親父になっちゃって姉と2人で

着の身着のままの身一つで脱出して転校するくだり。

あの残された兄弟たちはどうなるんだろう。

母親も突然いなくなっちゃって、あの父親と残されるなんて。

3人目の父親もなあ・・・。

2人目も3人目も最初はいい人なのに

なんでああなっちゃうのかね。

っていうか、この監督は本当は

サイコサスペンスとか撮るのが上手なんじゃなかろうか。

全員携帯を出せ、のシーンとか超こわい。

自転車に乗った女の子と話をしながらずっと歩いていく長回しとか、

ライブハウスの2階で1人目の実の父親と話をしていて、

「この会話の要点は何?」って聞いたあたりの会話とか、

セリフがかっちり決まってるわけじゃなくて、

おおまかな流れと趣旨が指定された上で役者さんが

自然に会話していくのを撮ってるんですよね。

作風は変わらず。