「リバー・ランズ・スルー・イット」
ロバート・レッドフォード監督で、
ブラッド・ピットの若い頃の作品。
昔のアメリカの、モンタナ州の田舎の町が舞台。
その町の牧師さんの家に生まれ育った兄弟のお話。
お兄ちゃんは勉強が出来て常識のあるちゃんとした人で、
弟はやんちゃでスリルのあることが大好き。
自然が豊かで美しい森と美しい川があって、
お父さんと兄弟はフライフィッシングがいつも暮らしの側にある。
お兄ちゃんが大学を出て久しぶりに田舎に帰ってきたら、
地元で新聞記者になった弟は、洒落た会話もできて踊りも上手で
フライフィッシングの腕は芸術的なまでに素晴らしい、イイ男になっていた。
(この弟がブラッドピットね)
ちょっと羨望さえ感じる兄。
しかし、弟には良からぬ問題が・・・・・・という映画。
渓流の美しさとブラッドピットの魅力を堪能するヒューマンドラマでした。
フライフィッシングをするブラッドピットがそれはそれは魅力的です。
大きな鱒を釣り上げて記念撮影をする時の笑顔は
これだけでもこの映画を観る価値があると思わせます。が、
その鱒を釣り上げるくだりでは、
なんちゅう危険なことをするんだ、と、たまらない気持ちになりました。
この弟は、そのスレスレが好きだったんだろうな・・・。
年の近い同性の兄弟というのは、
誰よりも近いがゆえの良さと、良いばかりではない面とがあるんだろうと思う。
そうだとしてもやっぱり羨ましくもあり、
そういう存在を作ってやれなかった引け目というのも
この映画を観ていて思い出した。
長い人生のうちには愛する人を救えないことも、
と、お父さんが牧師としての説教で話していたけれども、
もし日本だったら息子のギャンブル依存と借金は、
いくら本人が「俺の借金だ」と言ったって、
それでは済まない気がする。
こんなに叙情的で美しい終わり方にはならなかっただろう。
助けようとして一緒に激流に飲み込まれてしまうのでは。
勝ち組、とか、負け組、とか、
何をもって良い人生と呼ぶのか、とか、
輝いてる人の輝いてる瞬間とか、
ちょっと人生について考えちゃう映画だと思いました。
でも、若い人には退屈かもね。
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