「サン・ジャックへの道」
母親の遺言書に、兄弟3人で同宿して巡礼に行かないと遺産を相続させないと書かれ、
行きたくもないのに渋々行くことになった仲の悪い兄弟と、同じ巡礼ツアーに
居合わせた人たちの、フランスから巡礼地までの長い長い徒歩の旅の映画。
高校でのスカーフ着用問題が出てる話があったり、
ケータイの電波が入る場所を探したり家に電話したり、
途中で出会ったテレコム男が装備を自慢するところとか、
普通の同時代の人たちの話でした。
ツアーのメンバーは、
・仲の悪い中年の3人兄弟
(兄は会社社長、姉は高校教師、弟は無職でアルコール依存)
・大病した後と思われる女性
・若い女の子2人組
・好きな女の子が行くから、イスラム教徒なのに参加した若い男の子2人組
・ガイド
といった面々。
少しだけ「幸せになるためのイタリア語講座」と感じが似てるなー、と
うっすら思いました。なんでだろ?
景色がすごく素敵で、雄大な自然の中をどんどん歩いていく画像にうっとりでした。
石造りの建物や建造物も見事で、行けるモノなら行ってみたいような気持ちになりました。
自分の場合は誰か1人に感情移入するというよりは、
むしろトレッキングの場面そのものに「萌え」。
装備一式のリストとか出してくれたらいいのに~。
登場人物たちのみる夢の、幻想的なシーンも面白かった。
かわいい子には旅をさせろと言うけれど、
きっと大人だって「旅」をすると成長するんだろうな。
登場人物たちの感情の機微や移り変わりがじんわり伝わる素敵な映画でした。
ヨーロッパの田舎ってあんな風景なんですね。
美しいけど植物の植生として見るとずいぶん貧弱だったり種類が少なかったり、
育ちにくい土地なんだなあと思ったりしました。
森の場面になるとちょっとホッとする。
(日本は空き地にあっという間に多種の雑草が茂るから緑が豊か。
資源が少ないと言われるけど、これこそが資源なんじゃないだろうか?)
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