「グレイテスト・ショーマン」
ヒュー・ジャックマン主演のミュージカル映画。
劇中曲の作詞作曲を、「ラ・ラ・ランド」のチームが担ってる。
見世物小屋のようなところから始めて、
お客が賑わうサーカスに育てた男。
しかし上流階級出身の妻の両親を見返したい気持ちもあって、
上流階級の客に受けるオペラ歌手の公演に熱中してしまう。
多額の借金をして、家族もサーカスも置いて公演旅行に行き、
そして全財産を失った。
深く反省した彼は、団員とアイデアで再起する。
という映画。
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豪華なミュージカルシーン連発の、祝祭感にあふれた映画でした。
キャッチーな楽曲が盛りだくさんです。
美しいシーンが沢山あって、衣装を見るのも眼福。
オペラ歌手の登場シーンは本当に綺麗で、
心奪われるのも無理ないなと思わせる説得力があり、
娘のバレエの発表会も可愛いし。
なかでもアンの空中ブランコとロープは必見です。
演じる女性の技術と美しさ、
さらにそこに加わった、彼女を口説くフィリップ。
いやー、良いもの見ました。
ただ、心情は一切深入りしないので、
そのあたりはちょっと物足りないかな。
ヒュー・ジャックマンは、歌はいいし踊れるし格好いいのに、
演じてる主人公がどうも私には限りなくクズ野郎っぽいと思えてしまって
感情移入できないのが残念。
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- メディア: DVD
あと、一流というなら一流を連れてきて欲しい。
あれはオペラ歌手じゃない。
良い歌だと思うけど、あれはミュージカル歌手であって
音楽ジャンルが違う。
映画館で大画面で良い音響設備で見たら
もっと良かったんだろうな~~。
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追記。
例によって深掘りしてみたところ、
実在の人物と実在のサーカスをモデルにしていると知りました。
しかし史実とはだいぶ変えてある模様。生い立ちとかね。
(実際は仕立屋でもなく孤児にもならず商店を継いだ)
そして、私は勘違いしていたんだけど、
当時のアメリカで見世物興行とサーカスはそれほど差が無いのですね。
どうも見世物というと昔の見世物小屋のイメージがあり、
サーカスというと驚異的な身体能力のアクロバットを見るところで、
昔のサーカスではライオンや象が芸をしていたらしい、
くらいの明確なイメージの違いがあったのですが、
どうもその境界線は基本的に無かったようです。
お客が入れば何でも良し。
話題にできそうな黒人奴隷がいれば買い取り、
重い奇形のある人はここで生計を立てる。
「ピノキオ」が監禁されそうになったのも、
「エレファントマン」がいたのも、
「ダンボ」親子がいたのも、同じ形態の興行のようです。
であるならば、
社長の出ているレセプションパーティに
入れてもらえなかったのもまあ分かる。
彼らと社長は、仲間じゃない。