「言の葉の庭」
おそらく、新海誠監督の作品というと、
興行収入や一般的な知名度の点から、
まず「君の名は」が挙げられることになるんだと思う。
しかし!
しかし私は断然この「言の葉の庭」を推したい!!
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雨の日は学校をサボりたくなる男子高校生と、
雨の日は仕事に行きたくない社会人女性の話。
ふたりは雨の日に新宿御苑のあずま屋で顔を合わせるうちに
じわりと、人生の歩き方を思い出していく。
名前も知らない相手、連絡を取り合うこともない。
しかし思いがけない場所で再会して・・・という映画。
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雨のしずくの波紋の広がり、
新緑の若葉の光、
雨の庭園の美しさがあざやかに描かれて、
実写では出せないであろう純度の高さです。
そして繊細な心理描写。
主人公は男子高校生で、
雨の新宿御苑で出会う女性は社会人の大人。
ふたりの距離感や心情がじわっと滲んで、
展開に説得力がありました。
「秒速5センチメートル」では、
ちゃんと言葉にしろよ!言わなきゃわかんないよ!
こんなとこにいると思わないんだから
見た目も変わってるんだし分かるわけないじゃん!
とゴリゴリ言いたくなりましたけど、
「言の葉の庭」でそういう自分の姿勢をちょっと反省しました。
言葉にしない情緒ってあるよね。うん。
でもスマホがある時代なんだからサクッとアドレス交換しちゃえば、
・・・なんて言っちゃいけないのだ。
うっかり手を出したら東京都青少年の健全な育成にひっかかるのだ。
いやー、良かった。
非常に良かった。
次回作はぜひ、こっちの方向でお願いしたい。
- 出版社/メーカー: 東宝
- メディア: DVD