ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「殿、利息でござる!」

すごく良い映画でした。 ドタバタ喜劇なのかと思いきや、そうではござらん。 見やすいテンポで綴られた、丁寧に作られたドラマでござった。 なんと実話だそうな。 ーーーーーー 仙台藩の街道沿いの貧しい宿場町。 藩の金欠のために重税を課せられ、夜逃げが相次いでいた。 町一番の知恵者、茶の製造卸の菅原屋(瑛太)は、 それほど藩が金に困っているなら、 大金を藩に貸し付けて利息を取れないか、と思いつき、 造り酒屋の穀田屋(阿部サダヲ)に話した。 しかし実現する可能性など全くない夢物語であった。 現在の価値にして3億円。 貧しい町にそんな金など用意できる筈など無い。 穀田屋は真剣に実現を目指すようになり、 肝煎(町の取り締まり役)、 大肝煎(さらに上の取締り)まで巻き込み、 倹約し、蓄えをつぎ込み、形見の品まで売り払った。 このプロジェクトは町中にひそかに広まり、 ついには造り酒屋と質屋を営む町一番の大店、浅野屋にまで届く。 強欲と言われる浅野屋と穀田屋の主人は、兄弟同士であった。 穀田屋が兄、浅野屋が弟。 幼少の折に兄の方が養子に出されており、 兄の方では浅野屋に対して複雑な思いを抱いていたために まさかの浅野屋の協力に難色を示していたが、 思いも寄らない事情を知ることになる。 果たして目標の金額は集まるのか。 このプロジェクトは実現するのか。 ・・・・・・という映画。
殿、利息でござる! [DVD]

殿、利息でござる! [DVD]

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD
ーーーーーーーーーーーーー  よいか。  富となるか貧となるかは、  ただ一つのことで決まる。  利息を取る側にまわるか、  利息を取られる側にまわるか、だ。  借金など、もっての他じゃ。 ーーーーーーーーーーーーーー  ↑  これはこの映画の唯一の敵役(?)の、 藩の財政を司る萱場様の言うセリフ。 「貧乏父さん金持ち父さん」という本と おおむね言ってることは同じでござるな。
金持ち父さん貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん

  • 作者: ロバート キヨサキ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2000/11/09
  • メディア: 単行本
萱場様のふるまいにも、 理由と信念があるのでござる。 ーーーーーーーーーーーー 主役の穀田屋さん菅原屋さん浅野屋さんをはじめ、 名だたる実力派の俳優さんたちが並ぶ中、 大肝煎の千葉雄大くんが引けを取らない大健闘であった。 代官に浅野屋の先代からの次第を申し出るシーンでは泣けた。 ファンならずとも必見である。