ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「きっと、うまくいく」

男子学生3人の友情と、卒業後の再会を描いた映画。 コメディ要素たっぷりでミュージカル場面もある170分です。

インド映画ってもっと大味なものかと以前は先入観があったのですが、1本目が「スラムドック$ミリオネア」で2本目がこれなので、ボリウッド映画は完成度が高くて長い、という印象になりつつあります。長いけど中だるみ無し。ボリュームもたっぷりのフルコースで、入館料を払って見たとしても、元をとった感があるだろうと思います。

 

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舞台はインドの超難関工科大学。 ランチョーは入学してきた時から他の奴とは違ってた。型破りで、常識や慣習ではなくまず自分で正しいと思ったことを実行する変わり者だ。寮で同室になったファルハーンは、本当は工学よりも動物写真の方が好き。同じく同室のラージューは実家が極貧で、いつも神頼みの線香を焚いてお守りの指輪を沢山つけている。

 

卒業後、行方をくらましてしまったランチョーの所在をファルハーンもラージューも捜していた。2人にとってランチョーは親友であると同時に恩人でもある。 ある日、ランチョーが来るぞ、という連絡が入り、2人は全てをほっぽり出して駆けつける。連絡をしてきたのはチャトゥルという同窓の点取り虫。そこにランチョーは来ていないがランチョーの住所を知っていると言う。

ファルハーンとラージューはチャトゥルの車でランチョーに会いに行くのだが、突き止めたランチョーは別人だった。いったいどういうことなんだ。そして自分たちの知ってるランチョーは誰なんだ。

 

 

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コメディたっぷりでミュージカルシーンもあって、でもドラマもしっかりしててロマンスもあってミステリー的なところもある。

学長が新入生たちに「宇宙でも書けるボールペンの話」をして、最高に優秀な学生にそのボールペンを授与する、言ったシーンはそこで完結しているのかと思ったらずーっと後でさらに回収されたりと、実に細やかに小道具や伏線が利いている。いやー、本当によくできた映画です。 きっと、世界中で楽しめる映画だと思います。

 

で、 面白かったんだけどね。 テーマは教育問題なのです。 私は全世界でごく一部にだけいる少数の、この映画を手放しで楽しめない人なのだ。 おそらく同じ立場の人たち・・・子供を大学に通わせて仕送りをしている親御さんたち・・・その人たちは、ビミョーな気分になるシーンもあると思うんだ。

学生はバカをやるものだとはいうけど、おまえら学生だから何やってもいいと思ってんじゃねーよ、と言いたくなるところが多々アリ。いや映画なんですけどね。

 

大学が就職率を気にするのは当然だし親も受験生も調べてから受験してるし、それを入学してから文句つけられても、学長ってのは全体的な運営方針と経営と外部との連携にかかわる大学の顔で、入学してくる学生とそのスポンサー様とが求めるものの質を保とうとするのは必然なのでは。純粋に学問であれば個々に気の合うプロフェッサーと仲良くなった方がいい。まあ確かにお預かりした大切なお子さんの心身の健康に気を配るのは大事だけどさ、悪ふざけを越えて犯罪に近いことをやった学生に対処するのは社会に送り出す上で必要だし、学力が足りなければ留年するのも最初から決まっていたこと。伝え方に問題はあるけど。「のれん」を守っていくのって、いろいろあると思うんだ。 まあ映画なんですけどね。

あと思ったんだけど、インドの大学というのはラージューの家でも大学を卒業させられるのか、と思いました。日本だと無理だよね。授業料を全額免除で格安の寮に入る、という道がないわけじゃないけど、相当難しい。

 

と、なんだかんだ言ってるけど、 この先なにかピンチのときには胸に手を当てて「オールイーズウェール」って唱えちゃいそうです。

オススメです。