「暗くなるまで待って」
オードリー・ヘプバーン主演のサスペンス映画。
1967年の作品で、ここしばらく観てきた中で一番現代に近くて、
服装は日常的な服で、お化粧も薄め。
人形の腹を刃物で切り裂き、中の綿を引きずりだして、
そこに麻薬とおぼしき小さな白い包みを詰めるところから映画が始まる。
運び屋らしき女はその人形を、着いた先の空港で無関係の男性に預けた。
何も知らない男性はそのまま人形を家に持って帰った。
男性が仕事に出かけたあと、盲目の妻はひとりで過ごさねばならない。
そこに人形を手に入れたい男たちがやってくる・・・・・・というお話。
クローゼットの中に、運び屋の女が死体になって入ってるシーンがあって。
(うぎゃー!)ってかんじなんだけど、盲目の妻は気づかないのよ。
生々しく露骨にグロいシーンは全然無いんだけど、
もうずっとハラハラドキドキ。
悪役が、すっごく怖いのよ。
冷酷非道な悪いやつで、人を殺すことを何とも思ってない。
終盤で、主人公と一対一の対決になるところでは、
心臓バクバク、汗じっとりでした。
これまでに観たオードリー・ヘプバーンの映画の中で
一番のお気に入りはというと、悩んだ末に
う~ん、「ローマの休日」かなあ?
「麗しのサブリナ」も良かった、「マイフェアレディ」は大好きだ、
などと浮かんでくるのですが、
映画の完成度としてはもしかしたらこれが一番かもしれないな、
なんて思いました。
オードリー・ヘプバーンの映画、ではなく、
脚本家や監督の映画なんだろうと思います。
監督はテレンス・ヤング監督。
面白かったから他の作品も観てみよう、と思って調べたら、
007シリーズの第1作目を作った人なのだそうだ。
うーん、観てみなくっちゃ。
それにしてもオードリー・ヘプバーン。
お嬢さんな役で恋愛モノが多かった女優さんですが、
それなりのお年を召して、飾らない衣装のこういう役も
とても素敵でした。