「鍵泥棒のメソッド」
すばらしい!
大好きだ!
こういう当たりが出るから映画を観るのはやめられない。
内田けんじ監督の作品。
「運命じゃない人」も「アフタースクール」も大好きだけど、
今回が一番、洗練されてると思う。
登場人物は主に3人。
1人はキャリアウーマンの女性。急いで結婚しなければいけない事情がある。
2人目は凄腕の殺し屋。スーツを着て高級車に乗っている。
3人目は散らかったボロアパートの一室で、自殺しようとして失敗した男。
売れない役者で所持金は千円ちょっと。
この殺し屋が銭湯で頭を打って気を失っているうちに、
居合わせたこの役者がロッカーの鍵を自分のものとすり替える。
ほんのちょっとだけのつもりが、殺し屋が記憶をなくしたために
なりゆきでそのまま入れ替わることに。
しかし役者の男の元には危険な殺人の依頼が持ち込まれて・・・
・・・という映画。
キャリアウーマンを広末涼子、
殺し屋を香川照之、
売れない役者を堺雅人。
殺し屋のものすごく片付いた家と、役者の散らかりまくった家。
住む人が入れ替わると、ボロアパートの部屋がみるみる片付いていき、
高級マンションの部屋がみるみる散らかっていくんです。
なんか、見てるうちに掃除のモチベーションが上がりました。
映画の最初はキャリアウーマンの女性から登場するんですが、
そのシーンからもう引き込まれてしまって。
あんまり気に入ったんで少し会話を起こしてみます。
ーーーーー
職場でスタッフたちに紙を配り、話し始める。
「来月のスケジュールを組みましたので、この予定通りお願いします。
それから、プライベートなことなのですが、私、結婚することにしました。」
(一瞬の間。スタッフたちは配られた紙に落としていた視線をいっせいに上げる。)
「マジですか」
「はい。結婚しても仕事は続けますが。」
「あの、お相手は」
「まだ決まっていません。それで、皆さんにお願いがあるんです。」
(中略)
「目標としてはいつ頃までに」
「1ヶ月以内で、候補者をしぼって、1ヶ月間の恋愛期間を経て、12月の、第2週あたりには結婚したいと思っています。」
「分かりました。がんばりましょう!」
(スケジュール帳がアップになる。仕事の予定と共に、プロポーズやウェディングドレス試着などが書き込まれている)
ーーーーー
相手はまだ決まってません、というところで(エッ?)と思い、
ぎっちり進行予定が立ててあるところで、
(そんな無茶な~~)、と、たぶん見てる人みんなが思う。
誰とでも合う人じゃないよね・・・と思いながら見ていると、
記憶を失った殺し屋がこれまたなかなかいない几帳面な人。
記憶が戻ってから、貧乏だったから女房が出て行った、って言ってるけど、
いやいやそれはもしかしたら几帳面さに付いていけなかったのかもよ?
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- メディア: DVD
いやもう、ほんとによく出来た映画だと思います。
ちなみにいっぱい受賞してるらしい。
・第36回日本アカデミー賞 最優秀脚本賞・優秀主演男優賞・優秀助演男優賞・優秀助演女優賞
・第37回報知映画賞 作品賞
・第86回キネマ旬報ベスト・テン 日本映画脚本賞・読者選出作品賞・読者選出監督賞
・第25回日刊スポーツ映画大賞 監督賞
・第32回ハワイ国際映画祭作品賞
(amazonの内容紹介からコピペ)
この監督の作品って、
見終わった時の気分がとても良いところがいいですね。
すごく面白かった。
まだ半年残ってるけど、今年の一番かも。