「箱入り息子の恋」
主役が星野源。
たぶん、この映画の役柄の演技から、
「逃げるは恥だが役に立つ」のヒラマサさんにキャスティングされのかな。
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主人公は市役所勤めの35歳、彼女いない歴35年。
勤続13年、無遅刻無欠勤。
お昼休みは自宅に徒歩で帰ってきて昼食を取り、
定時で仕事を終えるとまっすぐ家に帰ってくる。
酒もタバコもやらず、給料はしっかり貯蓄。
靴をそろえる、帰宅するとすぐ手を洗うなど行儀が良くて
デスクの整頓も行き届き、きちんと育ったことが見て取れる。
両親はそんな真面目すぎる彼に早く結婚させようと、
親同士だけで行われる婚活パーティに出席した。
かたやヒロインは大きな家でピアノを弾く、
清楚で可憐で美しい盲目のお嬢さん。
ある雨の日、
ひとりで雨やどりをして母を待つ彼女に、
主人公は傘を渡す。
ヒロインの母は傘に書かれた名前を見て
親の婚活パーティで釣書をもらったうちの一人だと気づき、
連絡をとって、本人同士を会わせるお見合いの席を設けた。
・・・・・・というあたりから始まる映画。
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えー。
なんかね。
最近作られた映画なのに、価値観がものすごく30年前なんですよ。
30年前っていうか、バブル前夜~初期、くらいのかんじ。
市役所勤めなんて野心も意欲もなくて情けない、なんて
少なくともここ10年は聞きませんよね。
現在、公務員は就職にも結婚相手としても大人気ですよ。
おまけに市役所だったら転勤もありませんよ。
しかも酒もタバコもやらずにがっちり貯めてて、
おまけに一戸建ての持ち家ですよ。
こんな優良物件、ちょっと募集したら女子がワラワラ寄ってくるでしょ。
おまけに外見は星野源ですぜ?
星野源のルックスは決して華やかではないけど、
さっぱり顔が好きな人にはウケる顔。
どうにも設定自体に納得がいかないーーーー。
でね、このヒロインの父親なんだけど、
お見合いさせてるけど結婚させる気ないでしょ。
障害者の扱いに慣れた、なおかつ野心家のエリートじゃないと、
ということなら、最初から障害をオープンにして探さなきゃ。
しかも本人の意思は無視。
そんで主人公の母親もこれがなぁ、
普通に結婚して普通に子供をもうけて普通に生活して欲しいの、
っていうけど、普通って何ですかね。
これだけきちんと仕事して、きちんと生活してるのに
こんな言われようなのは気の毒になりました。
しかし。
ここまで散々に書きましたけど、
この映画は良かった。
逃げ恥のヒラマサさんが好きだった人は買ってよし。
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
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一番好きなシーンは、後半の吉野屋かな。
彼女ががんばって一人歩きの練習をして、
思い出の牛丼を食べて涙を浮かべるところ。
ラストは、「へ、これで終わり?」と思ったけど、
不死身の主人公は、これからも頑張るのでしょう。