ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

モル質量

以前、ハムスターを飼っていたことがある。

よく人に慣れた可愛いヤツで、手を差し出すとすぐにかけよってきて乗り、

飼育ケースをのぞき込むと巣箱の上にあがってこっちをうるんだ瞳で見つめたまま、

「あそんで!」と言わんばかりに、こちらに近づこうとでもするように、

ピョン、とこっちにジャンプするのだ。

ハムスターの飼育書には、決してオスとメスを同じゲージで飼ってはいけないと書いてある。

あっというまにそれこそネズミ算で増えるのだそうだ。

基本的には一つのゲージに一匹だけ。

大人になった雄同士はケンカするし、メス同士でも相性がよくなければダメなのだそうだ。

ペットショップでお迎えする時には、必ずオスとメスを分けてケースに入れている店で。

そうでないと、一匹お迎えしたつもりが、突然こどもを産んで増えていることがあるらしい。

たまに、ハムスターの夢を見る。

厚めに敷いた床材の中からモゾモゾと一匹出てきたと思ったら、

さらにモゾモゾ。

「あれっ、もう一匹いる!?」

夢の中の飼育ケース内の状態は劣悪で、

水も餌もなく、くさりかけたキャベツの芯が残っているだけだったりする。

ああ、早くエサをやらなくちゃ、飼育ケースは移動用の小さいのがあったと

思うんだけどとりあえずそれに入れて大きいの用意しなくちゃ、

などと焦るところに、さらにもう一匹むくむく出てきたり、

こどもが沢山生まれていたり、なんだか知らないけどさらにもう1つ

何匹も入っている飼育ケースが見つかったりして、

毎回、悪夢である。

もちろん現実にそんな事態になったことはない。

飼っていたハムスターはジャンガリアンだったが2年半生きた。

大事にしたから、幸せなハム生だったはずだ。

この頃、またハムスターが飼いたくてしかたがない。

本当は犬や猫が飼えるといいんだけど、

どちらも今の家では無理。なのでハムスター。

少し前から娘が学校の化学で苦戦していて、

分子の質量を量る単位で「mol」というのがあって、

なんでも1モルは6.0×ナントカの23乗のなんだかだそうで、

要するにこちらは聞いていてちんぷんかんぷんで、

なんかずっとモルモル言ってて、

えんぴつが12本集まると1ダースになるみたいに、

カゴに山盛りのモルモットがわらわらいるのを想像しちゃうんだけど、

モルモットもかわいいよねえ、昔、ピグミーギニアピッグって言う名前で

売られているのを見たことがあったっけ、

モルモットも可愛いよねえ、飼いやすいらしいし、

やっぱ1モルっていったらモルモットが一匹としか考えられないよねえ、

などと思っていたら、きのう夢を見た。

いつもはハムスターしかいないのに、

なぜか一匹、モルモットがいる。

小さいジャンガリアンハムスターたちのなかに、

ひとまわりもふたまわりも大きなモルモットが座り込んでいる・・・・・。

1ケースの中に1モルずつだ。

えっ? モルモット??

と思った瞬間に、目が覚めた。