「at Home」
「万引き家族」を見たときに、(確かよく似た設定の邦画があったような気が・・・)と思っていたのです。それがこの映画「at Home」。そういうわけで、やっとこちらも見ることができました。
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主演の「父さん」が竹野内豊、
「母さん」が松雪泰子、
「長男」が坂口健太郎、
あと中学生の「妹」と小学生の「弟」がいる、
とても仲の良い「5人家族」です。
作られたように完全な仲良し家族の幸せな日常から始まって、かなり初めのうちに、「父さん」の稼業が明らかにされます。夕食の席で掛け軸を見せる「父さん」に、長男が言うセリフ、
「あのさあ、もうこういうのホントやめろよな。現金だけ。掛け軸も油絵も彫刻もなし、それから宝石も時計もなし。分かった?」
「さばけるルートあるの?」
「我が家にとってキケンだから燃やす。それだけ。」
そしてその「お仕事」の内容を、小学生の「息子」もバッチリ知っている。
しかしある日、「母さん」が結婚詐欺の相手にバレて拉致監禁され、身代金を要求されることに・・・
- 出版社/メーカー: よしもとミュージックエンタテインメント
- メディア: DVD
とても良かったです。
気持ちの流れに無理がないというか、それぞれの登場人物の過去と、この「家庭」を守りたい気持ちに説得力があって。
あと楽しそうに「お仕事」してるけど、そりゃ被害者からすると怒り心頭、逮捕どうこうよりも被害者に半殺しにされるというのはそりゃそうですよね。
現実には難しい部分(主に法律や行政システム的なところで)は大いにあるのですが、それはそれで映画だからと流せる展開だと思うし、だからこそフィクションなのだと納得して鑑賞できるさじ加減だと思います。
一番意外だったのは、小学生の末っ子が、最初の「家族」だったこと。
そして、もっと長く一緒にいるのかと思ったら、冒頭の一家団欒の時点で、結成からそれほど月日が経っていないらしいこと。
それぞれの意思と努力で、家族になる。そういうカタチがあっても良いよね、と、素直に思える映画でした。
あとこの映画、ちょっとくらい何かあっても、竹野内豊がものすごく良くて説得力を生み出してしまうのですよ。なんでしょうね、感情表現なんでしょうか。声も良いし。
本当に良い俳優さんだと思います。大好きです。
そして坂口健太郎のファンは絶対に見るべし。この映画で彼のビジュアルの良さがやっと分かりました。竹野内豊と坂口健太郎を並べてくれた人ありがとう。
松雪泰子はすごく綺麗ないつもの松雪泰子と、過去のやつれた姿と、半殺しに遭った凄惨な姿とのギャップが激しくて、バイオレンスな雰囲気を彼女が盛り上げてくれました。
子役の過去の場面では、撮影の工夫と技術が素晴らしいと思いました。
悲惨な虐待について、おそらく演者の負担無しに、観客にはえげつなさと胸くそ悪さがきっちり伝わる。
食パンが減っていくことで日数を、椅子を揺らしているだけでその後何が起きるのかを。
これは監督の力量なのでしょうか?
映画はこうであって欲しいです。