ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「空気人形」

主人公は空気で膨らんだ等身大のお人形。

こういうお人形のことはラブドールというんでしたっけ。

そのお人形が心を持ってしまって動き出し、

オーナーさんに内緒で街に出て、

レンタルビデオ屋さんの店員さんに恋をして、

自分もそのお店で働き始める・・・というような映画。

ちなみにR15指定。

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オーナーさんは、仕事から帰ると彼女に「ただいま」を言って、

その日、いちにちの出来事や愚痴を話し、

一緒にお風呂に入り、一緒にベッドに入り、

話しかけながらsexして、きちんと手入れして、

また仕事に出かけるときには彼女が寒くないように

おふとんを着せて「いってきます」なのです。

おまけに夜中にこっそり公園に連れて行っていってくれたりもするんだよ。

だけどオーナーさんのことは、

好きでもなんでもないんだって。

なんとなくお人形って、勝手に、

大切に扱ってくれるオーナーさんのことを好きなものだと、

脳内補完していたりしませんか。ぬいぐるみとか。

あんなに大事にして可愛がってくれてるのにねえ。

会ったばかりの若くてイイオトコが良いんだってさ。

それはちょっと寂しいよね・・・。

ええ、きっとこれは比喩的な映画なんです。

「私は空気人形、性欲処理の代用品」

と彼女は言ってるし。

分かっちゃいるんですけど。

あとビデオ屋さんの店員の井浦新(名義はARATA)が

とても魅力的だった。

空気人形 [DVD]

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このお話はどう着地するんだろうと思っていたら、

予想以上にホラーでびっくり。

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とても印象に残るインパクトのある映画だと思うし、

演じている役者さんたちが素晴らしい。

でも好き嫌いは分かれそう。

私は、根本的な考え方がそもそも合わなかった。

あれだけ自力で動けて働いて稼いだお金で洋服を買いに行けて

自由に遊びに行って好きな人とデートして、

それで自分はからっぽだと言われましても。

替えの効く人なんていないし

(職場で交代要員は準備すべきだと思うけどそれは別の話)、

生まれてすぐ死ぬように見える昆虫にも五分の魂があると思うし、

大切にしている人形やモノには何か宿り始めるというのが私の思想。