ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「黒部の太陽」

三船敏郎石原裕次郎のダブル主演で描く超大作。

黒部の黒四ダム建設のためのトンネル工事の映画です。

でね。

トンネル工事なんですよ。

途中にフォッサマグナの破砕帯とかいう難所があって、

大量の水が洪水のように噴出するわ、

トンネルは崩れてくるわ、

何ヶ月間もほとんど進めない難工事なのですな。

開通していないトンネルの奥の奥で悪戦苦闘、

今にも落盤しそうにギシギシいうシーンではもう怖いのなんのって。

その分、開通シーンは本当に感動的です。

大勢の作業員の人たちの黄色いヘルメットの大群と、

振る舞われる樽酒の柄杓。

そして、それまで風の無かったトンネル内に、

外の風が流れているのに気づくシーン。

土木関係の仕事をする人たちの、誇りや喜びが、

少しだけ分かったような気がします。

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最終的に、破砕帯を超えるために、

最先端の機器に巨額の投資をして、

その部分を超えるためだけの巨大装置の導入を決めるのです。

これ見て思い出したんだけど、

そういえば少し前に、

リニア新幹線の工事について、超大手ゼネコン4社が談合していた、

というニュースがありましたよね。

各社の得意分野を生かして調整していた、とかそんな話。

リニア新幹線のトンネル工事も、南アルプスの地下で

高圧の水脈にあたる可能性があるなどの難工事で、

名古屋駅の地下の工事も非常に難しく、

どの区間も、どこの会社でもやれるような内容ではないとのこと。

これ、むしろ話し合って調整すべきではないんですか。

そうじゃないと、安心して設備投資できないじゃないですか。

技術の蓄積だってあるんだから、入札して金額だけで決めたら

むしろ恐ろしいことになりませんか。

この映画、前半に、フォッサマグナと破砕帯の話と、

黒四ダムの前に作られた黒三ダムの工事がいかに過酷で

悲惨なものだったかを語られるのですが、

黒三では高熱の高熱隧道という箇所があり、

岩肌が100度を超える中で大勢の死者が出た難工事だったとか。

現在では技術がはるかに進んでいるとはいえ、

それには技術と機材と知識と経験の蓄積があって可能になること。

リニアの工事、いったいどうなるんだろう・・・。

なんてことを、この映画を見ながら考えてしまいました。

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実際の会社が実名で完全協力してて、

俳優さんの名前も50音順で出るところが良い。

あと、

寺尾聰宇野重吉と親子役で出てて、むっちゃ可愛い。