ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「太陽のパスタ、豆のスープ」

「太陽のパスタ、豆のスープ」 宮下奈都

2016年本屋大賞を受賞した作家さんの作品。

たまたまリアル本屋の棚で見つけて、

パラパラっと見た感じ(これは合いそうだな)と買ってみた。

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主人公の女性が、レストランで婚約破棄を言い渡されるところから始まる。

結婚に向けての準備で気持ちも頭の中もスケジュールもいっぱいだったのに、

ぜんぶ無くなってしまって、途方にくれるところから始めるお話。

自分探しみたいなところもあるけど、

ロードムービーっぽいなと思いました。

上等かどうか、人に勧めたいかどうか、そういうのは別にして、

主人公と年も立場も違うけど、今の私にちょうど合う本でした。

きっと、手帳やノートやリスト作りが好きな女子たちは、

この本も好きだと思う。

ラストも、落ち着くところに落ち着いて、

とても収まりの良いハッピーエンド。

ただ、登場人物の名前はあんまり好きじゃないなぁ。

主人公の名前が「あすわ」、親友が「京」

あすわ=明日は、京=今日、なんだろうなーっていうのが、

ちょっとうざったい。

作中で、年の近い叔母である「ロッカさん」が、

(六花さんと書くらしい)

主人公にドリフターズ・リストを書かせるのです。

ドリフターズ=漂流者、なのだそうで、

「やりたいことや、楽しそうなこと、ほしいもの、全部書き出してごらん」

と、主人公に言うのです。

やりたいことリストを作って、

やれることからバンバン片付けていく、

というのは聞いたことがあったけど、

漂流者たちの指針になるリスト、という名前で、

それをお守りにして日々を乗り切っていく、というのは

初めて目にして新鮮でした。

しかし、私が、

「やりたいこと・楽しそうなこと・ほしいもの、全部書き出し」

てみると物欲リストになりそう・・・。