「バッタを倒しにアフリカへ」読了
読み終わりました。
むっちゃ面白い!
最初の方で、「ここにいるバッタみーんな俺のもの!!」って
大はしゃぎしてバッタ愛全開な様子にクスッと笑いながら読むんだけど、
中盤から後半にかけて、じわじわと、最初の方の著者の喜びっぷりに
納得がいくようになるのですね。
最初から最後まで全部面白かったです。
ノンフィクションでここまで読ませるとは。
著者はブログで読者の反応を見ながら筆力を磨いたのだそうだ。
いやあ、きちんと目的意識を持ってブログを書く人は違います。
さすがです。
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研究しているサバクトビバッタというのは、
アフリカで大発生して巨大な群れになって農作物を食い荒らす、
空飛ぶバッタ。通り過ぎたあとには何も残らないくらい、
葉っぱや種子類などを全部食べてしまう。
で、著者はこのバッタの生態や大発生のメカニズムなどを解明し、
バッタ問題を解決することを目標にバッタ研究をしているわけです。
現地モーリタニアの砂漠でフィールドワークをして、
この本で読んでるぶんにはめっぽう面白いんだけど、
実際のところ、そう簡単には真似できませんよコレ。
たしかこのバッタ問題って、大発生した後は食料危機になったりして、
アフリカの内戦問題の原因のひとつじゃなかったっけ。
この本を読んで、ババ所長の信頼の篤さ、モーリタニアとの国際親善、
アピールの巧さなどを思えば、
ODA予算の一部でもまわしてあげたらいいんじゃないか、って気にもなりますわな。
めでたくハッピーエンドですが、
ノンフィクションだから、まだ研究人生は続いていくのです。
そして、(なんか肝心な部分が薄くない?)と思ったら、
そりゃそうだ、一番の肝の部分は論文にまとめるとのこと。
その後の、成果を盛り込んだ続編が出たら、
そっちも読んでみたいところです。