ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「第三の男」

1949年のイギリスの映画。白黒です。

主題曲だけ知ってて、中身を全く知らないので視聴。

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ウイーンの街はそこかしこに爆撃の跡が残り、

英・米・露・仏が分割統治していて、

中心部は各国代表の国際警察が統治していた。

主人公のホリー・マーチンスはアメリカ人で、

肩の凝らない小説を書いているあんまり売れてない作家。

お金はないけどウイーンに住む友人のハリー・ライムに会いに来た。

仕事を紹介してもらおうと考えていた。

しかし。

なんと到着して友人のハリーに会いに行くと、

ハリーは少し前に亡くなったばかりだというではないか。

ウイーンはドイツ語圏で、

ホリーは管理人がドイツ語で話す言葉は分からない。

(映画の中で話されるドイツ語には字幕がつかず、

 観客も主人公と同じように、何を話しているのか分からない)

そのまま主人公は墓地に行き、

ハリーの棺が埋葬されるところに立ち会う。

参列者は人相の悪い男たちとすごい美女。

主人公は声をかけてきた男の車に乗せてもらい、

バーで話すうちに、男はGHQのキャロウェイ少佐だと名乗り、

ハリーは密売人で殺人も犯したかもしれないなどという。

主人公はハリーの汚名をそそぎたいと思い、

亡くなった時の事故の状況をハリーの友人に聞く。

そこで新たな疑念が。

・・・ハリーは本当に事故だったのか?殺されたんじゃないのか?

そこで、事故に遭ったときに

道の端に運んだという男たち、

埋葬に参列していた美女、

検死に立ち会った医師、と、

何かを知っていそうな相手に次々と会って、

真相に迫ろうとするのだが、

何かがおかしい。

そして誰もが、手を引くようにと言う。

はたして真実はどこにあるのか。

嘘をついているのは誰なのか・・・

・・・という映画。

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きちんと見ないと意味が分からなくなる凝った映画だと思いました。

おまけにドイツ語の部分がけっこう多くて、

何を話しているのか字幕もなくて分からなくて、

主人公の異国での困惑ぶりが伝わってくるよう。

(これ、ドイツ語がバッチリ分かる人だと違う感想なのかも)

ウィーンの街の、ヨーロッパの美しい建築物の映る画面に、

爆撃の跡があったり、階段が崩れていたり。

戦後の混乱期、このような時代があったのだな、と思いました。

いやー、それにしても。

本当によくできた映画だと思います。

名作と言われるわけです。

そしてですね、

・・・美人は得だな、と思いました。