「晩春」デジタル修復版
かの有名な小津安二郎監督の作品。
いっぺん見てみなくちゃな、と思って初めて視聴。
しかしながら、小津作品についてこれまでに見聞きした評価・・・
たとえば「小津作品における日本の美」だとか、「監督こだわりの美意識」とか、
「原節子の伝説的な美しさ」などなどの言葉に足をとられて、
些末なところが気になってしまって、
なかなか入り込めませんでした。
違和感を感じたところには、なにか意味が込められてるのでしょうか。
仏像のオブジェ的な飾り方とか、お酒のつぎ方とか。
紅茶のつぎ方については「そういう雑な人」というキャラ付けなんだろうけど。
知らない単語や聞き慣れない言い回しということもあり、
セリフがよくわからないところが、たびたびあって、字幕が欲しいです。
原節子については、造りそのものに非の打ち所がない美人というより、
演技派の女優さんなんだな(もちろん華やかな美人なんだけど)、と
思いました。
あとこれって、
最後の数分間のためにそこまでがある、
というタイプの映画じゃないですかね。
ストーリーについては・・・
あんまり考えたことなかったけど、
年頃の娘がいるところに後妻さんに入るのって大変なのかなー、
と思いました。
この映画のヒロインは父親と住んで、
経済的な心配は全くなくて、働いてなくて
女中さんが来てくれてるから家事労働もそんなになくて、
好きな人もとりたてていないんなら、
そりゃお嫁に行く気になんてならないよね。
いっそ、
この脚本を下敷きにして、
別の監督が現代にリメイクしたのを見てみたい気がします。
- 出版社/メーカー: 松竹
- メディア: Blu-ray