ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

どんな未来でも

もうだいぶ前のことだ。

古い友人からダンナと自分の相性を占って欲しいと言われた。

当時その友人からは、ダンナからこんな酷いことを言われたとか、ケンカして壁に大きな傷がついたとか、だいぶDVっぽい話を電話やメールで聞いていて、どうにかならないものかと心配していた。最初聞いたときにはDVかと思ったが、よくよく聞いて客観的事実だけを挙げていくと、彼女のほうもそれなりだし、ダンナの方はそこそこよくやってるようにも思えた。もうだいぶこじれてるかんじで、彼女の他の友人たちからは「もう別れなよ」と言われてるらしい。それで、そもそもどういう相性なのか、離婚した方がラクなのか、というようなことを占って欲しいという話だった。

私としてもこれまで聞いた話から、どんなホロスコープを持ってるのか気になったので、興味本位で引き受けた。

両者のホロスコープを出して、さあ占おうかと見た瞬間に、「あ~。」と思った。

私が馬鹿だった。

見た瞬間に、よみがえる記憶の数々。

こんなの2秒で分かる。

この2人は出会った瞬間に、結婚することが決まっている。絵に描いたように分かりやすい「結婚に至るカップルの相性」だ。実際のろけられたじゃんか・・・。もっちり体型の彼女の「○○ちゃんの太もも気持ちいい~って言われたんだ[黒ハート]」、とかな。勝手にしろよ。

彼女の太陽と彼の月がぴったり合なだけじゃなくて、金星と火星のアスペクトもいいかんじ。人生に対する価値観も好みもバッチリで、お互いにお互いが好みのタイプ。アイデアに溢れた結婚式も、アクティブでちょっと珍しい感じの新婚旅行も、うらやましいな~って思いながら聞いたっけ。順調な交際と、とんとん拍子に進む結婚。これじゃ、ただの一度も、相性だの「二人の恋のゆくえ」だのを占おうと思ったことなんてないはずだ。そんな必要ないもの。

問題は、二人とも新しいもの珍しいモノが大好きで、楽しむためのアイデアにあふれてること。価値観も考え方も、方向性が一致してるのはいいんだけど、子供もできて毎日生活をしていくと、そうそう楽しんでばかりはいられないよね。必然的に予算が枯渇していくことに。同一空亡で縁が深い代わりに運の浮き沈みも同時に来るから、同時にピンチが来る。2人の楽しいアイデアに資金と体力と時間が追いつかずストレスがたまるのだろう・・・というのが私の読みだ。

そもそも。相性悪かったら結婚してないでしょ。

あほらし。

もっと早く気づくべきだった。

彼女には素直に、「見た瞬間にかつて聞いたノロケの数々がフラッシュバックしたよ」と話し、占い的にはどっちにしてもこの先2~3年はかなり辛い時期だと思う、と伝えた。

今ならもっと細かく占うこともできるだろうし、いろんな手法があることも分かる。小天体が絡んで重大な影響を与えている可能性もあるし、1人と1人のホロスコープの相性では良くてもユニットとしての前途はまた別という観点があるらしいことも知ってる。プログレス天体同士の進行具合で意見が合わなくなってくることもあるらしい。そうであったとしてもだ。

もし前途にこんな日がくると分かっていたとして、かつての2人に他の選択肢は無かったはず。もしも結婚前に占ってもらう機会があったとして、将来ケンカすることになるよ、と言われたとしても信じないだろうし気にしなかっただろう。

100%完璧に瑕疵の無い相手などありえないのだし、素晴らしい命式を持った相手に自分が魅力を感じるかどうかはまた別の話である。