「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」(ネタバレ)
先週DVDになったばかりで、舞台は現代だけど、白黒映画。
「アバウト・シュミット」と「サイドウェイ」の監督の最新作で、ロードムービーだというので観てみた。
ーーーー
老人が高速道路を歩いている。
警察官が事情を聞くと、100万ドルの当選金を受け取りに行くのだと言う。息子が警察署に引き取りに行き、家に送っていくと、母親から、もうずっとこんななのよやっていられないわ、と聞かされる。
息子も高齢の母親も、高額の当選通知というのはよくある詐欺だと信じないが、本人は受け取りにいくと言って何度も徒歩で家を出る。100万ドルを受け取ったら、新車のピックアップトラックを手に入れて、知人に貸したまま返してもらえなかったコンプレッサーを買い直すのだと。
ついに息子は、自分の車に乗せて連れ出した。
長い旅の途中で、親族の家に寄り、昔住んでいた場所に行き、当選金の話は、あっというまに広がって、町中の有名人に。
おめでとう、と祝福されるが、古い知人は「昔の損害賠償を払え」と言い出すし、親戚は「何かと援助した分を返して」と言ってくる。本当は当たってなんかないんだ、と息子が言っても、独り占めしたいだけなんだろうと信じない。
ついには夜道で強盗(どうみても従兄弟)に手紙を奪われ、こんなのを信じる奴がいるなんて、と皆に笑われる。
それでも父親は当選金を受け取りに行くと言う。
息子は父親を、当選通知に記載の住所まで連れて行く。
帰り道。
しょんぼりと助手席に乗る父親を連れて、息子は中古車屋さんに寄って自分のスバルを下取りに出し、ピックアップトラックに乗り換える。名義は父親の名義に。
荷台には、コンプレッサーの箱。
息子グッジョブ。おしまい。
超地味な映画でしかも白黒。
私は白黒にする意味を感じなかったなー。
だってカラーの方が視認性がいいもの。
一面に広がる麦畑が牧歌的に見えてしまうから白黒にしたんだろうか。
中身は、もう、とにかくリアル。
残酷なまでにリアル。
年を取るとか、宝くじで100万ドル当たったと聞いた親族たちの反応とか。
娯楽作品ではないので、楽しかったとかそういうのはないけど、
監督と、息子役の俳優さんの才能のすごさを思います。
ーーーー
日本の宝くじは高額当選者に、注意事項などを書いた冊子をくれるのだそうですね。
見たことないけど。
その話を始めて聞いたときは笑ったけど、この映画をみると、それって必要かもしれない・・・と思いましたです。これからは、宝くじを買ったときに、当たったら何に使おうかしらウフフ、だけじゃなくて、もっとリアルに注意事項まで妄想しようっと。(笑)
- 出版社/メーカー: 東宝
- メディア: DVD