「ダンボ」
ディズニーのアニメーション。1941年の作品。
子供の頃、幼稚園から小学校低学年くらいの頃に、
ディズニーの絵本が家にあって何度もくりかえし読んだ。
何冊あったのかは覚えていないが、
一番のお気に入りが「ダンボ」だった。
「おしゃれキャット」はお気に入りのページだけを眺めていたが、
「ダンボ」は全体を見ていた・・・・と思っていたのだが。
今回、初めて映画を観てびっくり。
こんなに悲しい、陰惨なお話だったとは!
おおまかなストーリーは覚えていた通り、のはずなんだけど、
大人になったからそのあたりが分かるようになったのか、
子供向けの絵本だからマイルドに加工されていたのか。
世間とか社会とかいうものの冷たさをディズニーアニメで味わうなんて。
↓ 以下ネタバレ
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サーカスのゾウ、「ジャンボ」のところにコウノトリさんが赤ちゃんをつれてきてくれた。
ほかのゾウたちは、始めは「まあ可愛い」と言って見に来てたんだけど、
耳が大きいことが分かるととたんに嘲り、化け物だと言ってのけものにした。
ダンボを観客のいたずら小僧から守ろうとしたお母さんは
鉄格子のついた粗末な小屋に隔離され、閉じ込められてしまう。
ほかのゾウたち(近所のおばちゃんといった感じ)からはいじめを受け、
サーカスのショーでは望まない役をやらされて、黙って涙を流すダンボ。
それを、ねずみのティモシーだけは勇気づけて励ますのだった。
ある日、ダンボとティモシーは誤ってお酒の入った水を飲み、
酔っ払って、ピンクの像が舞い踊る夢を見る。
長い長い夢を見て、目が覚めるとなぜか木の上にいるではないか。
なぜこんなところに。
ダンボが空を飛んだとしか考えられない・・・。
ティモシーはカラスから羽根を一枚もらって、ダンボに持たせる。
「これは魔法の羽根だから、これを持っていれば飛べるよ」
そしてカラスとティモシーに背中を押されてダンボは空を飛ぶ。
サーカスのショーは、危険な高いところからダンボを飛び降りさせるものだった。
魔法の羽根を持ったダンボは、うっかり羽根を手放してしまう。
危うしダンボ。
ティモシーが言う。
「きみは羽根が無くても飛べるんだよ!」
がんばってパタパタしたら・・・飛べた!
サーカステントの中を飛び回るダンボ。
ダンボはものすごく有名なスターになり、
お母さんと一緒に特別車両に乗るようになりましたとさ。
めでたしめでたし。
最後はめでたしめでたしで終わるんだけど、
半分以上はとにかく暗い悲しいお話でした。
1941年といえば、第二次世界大戦の最初の方。
労働条件とか、サーカスの運営とか、アメリカといえどもこんなだったのか、
などと時代も感じました。いろいろと考えさせられる映画です。
お母さん可哀想すぎる・・・。
そんな中、ティモシーだけは、見た瞬間に懐かしい気持ちに。
ピーナツをくれるところでは「あっ!これだったのか」と思いました。
すっかり忘れていたのに・・・。記憶の隅の方に残っているものなのですね。
幼子の記憶おそるべし。
ピンクのゾウの夢(幻覚?)のシーンがすごく長くて、
これは映画を観なくちゃ分からないなと思いました。