ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「クリクリのいた夏」

舞台は1930年代のフランスの田舎。

カッコウの鳴く美しい森の中にスズランの群生がある。

一人の男が、スズランの小さな花束を作ってはカゴに入れていく。

男の名はガリス。

兵役から復員してきて通りかかった沼地に、縁あって住むことになった。

スズランは町に売りにいって現金収入にするのだ。

初夏はスズラン、次の季節にはエスカルゴ、冬になれば炭を売る。

(長文なので畳みます)

一緒にスズランを取りに来たリトンは、

まだほんの少ししか花束を作ってないのに、

先にひとりで呑み始めている。

澄んだ小川にワインの入った瓶を冷やしてあったが、

自分の分を呑んでしまったので、

ガリスの分にまで手をつけてしまった。

ガリスはやってきて、

くどくどと言いわけするリトンに

やれやれ、といった顔をして、怒るわけではなく、

さりげなくリトンのカゴにスズランを足してやる。

2人は沼地に住むご近所さん同士だ。

リトンには家に3人の子供がいて、末っ子の女の子の名前が「クリクリ」。

怠け者で大酒飲みのリトンは、何から何までガリスに頼ってばかりだ。

ガリスはいずれ他の土地に行きたい気持ちがあるのだが、

自分がいなくなったら隣の一家は暮らしていけるのだろうか、

と思うと、踏ん切りがつかない。

そんなある日、

試合のために町に来ていたボクシングのチャンピオンに

酒場で泥酔していたリトンが絡んでトラブルになり、

リトンの挑発に怒ったチャンピオンが荒れ狂って店内を破壊。

ガリスがリトンを連れ出したからリトンは無事だが、

チャンピオンは警察に捕まってしまって、

試合に現れなかったからと多額の賠償金を請求され、

恋人は去り、何もかもを失うことに。

「あいつのせいだ。絶対に殺してやる。」

そんなこととは知らないリトンは相変わらずの生活をしている。

ガリスと一緒に年配のご婦人の庭の手入れの仕事をして、

ガリスは絵を、リトンは帽子とワインをもらったり。

ガリスはクリクリちゃんのことをとても可愛がっていて、

古タイヤを手に入れたからといっては木につるして遊具を作ってくれたり、

病気になって薬が必要なのに父親がお金を使ってしまったとなると

お金を出して薬を飲ませてやったりする。

そして、元チャンピオンが釈放される日がやってきた。

町に出た元チャンピオンはリトンを見つけて、

居場所をつきとめ、リトンを追い詰めて銃をつきつける。

その時。

父親を救おうと、クリクリちゃんが元チャンピオンに体当たり。

元チャンピオンは沼に落ちた。

もがき、「助けてくれ!」と叫び声をあげる彼を、

たった今、殺されそうになっていたリトンは、助けようとするのだった。

おしまい。

だいたいそんなかんじ。

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とにかく光と緑が美しい映画です。

そして、欠点のある人は出てきても、悪人がいない。

フランスではすごくヒットした映画だそうですが、

分かる気がします。

きっと、郷愁をさそうんだと思います。

フランスの「三丁目の夕日」なのかもしれない。

あと、クリクリちゃんがものすごく可愛いいです。

お兄ちゃんと初恋の彼の名前が、どっちも字幕では「ピエロ」って書いてあるけど、

あれはもしかして、日本では「ピエール」と表記する名前なのでは?