ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「プリンセス トヨトミ」

会計検査院の監査に、「鬼の松平」と呼ばれる厳格な検査官とそのチームは

大阪市内にやってきた。

ある社団法人の実地検査をしたところ、不明な点が見つかり、

松平は真実を明らかにするべく調査を始める。

しかしそこで明らかになった事実は、思いがけないものだった。

大坂夏の陣で滅びたはずの豊臣家を、大阪人は極秘のうちに

精神的支柱として守り続け、地下にはそのための巨大な施設があったのだ。

職務を厳格に勤めようとする松平と、「大阪国総理大臣」は・・・・・・という話。

原作の小説があるらしい、内容はトンデモ系歴史の映画らしい、

くらいの前知識で視聴しました。

松平を堤真一

大阪国総理大臣を中井貴一

松平チームのスタッフに綾瀬はるか岡田将生

ツッコミどころが多すぎる内容でありながら、役者さんたちの名演技や、

しっかりした美術照明その他演出のおかげで

最後までダレずにしっかり楽しめました。

よく小説では、(この登場人物が怪しいんじゃ?)(この人の行動には何か意味が?)

と惑わせるような描写を混ぜ込んであったりしますけど、

この映画ではおそらくキャストで同じような効果を狙ってるのでは。

和久井映見がただの奥さんだったり、玉木宏がただのたこ焼き屋だったりして、

さいごまで何もなかったことに逆にびっくりしました。

言葉遣いが大阪弁のようなそうでないような感じだったり、

大阪の人はもっとウケとかオチとかありそうな話し方するのでは、とか、

大阪の繁華街に転勤族も出張の人も旅行者もいないのは無理じゃないかとか

あれ?じゃあそれ以前に中学生高校生はほとんどこの秘密を知らないじゃん、

とかそういうことはまあ言い出したらキリがないのでもういいとして、

やっぱりねえ、お姫様にはそれなりに護衛をつけとくべきだと思うのよね。

まあどうでもいいんだけど。

ちょっとネタバレになっちゃうけど、

父から息子へ、自分の死期をさとった時に

伝えたいことを伝えてから亡くなる、

それが連綿と伝えられていく、って、

平和で幸せなことですね。

大阪国総理大臣と松平が群衆の前で話し合い、

松平さん、お父上は生きておられますか、と問うところで

東日本大震災の大津波を思い出しました。

考えてみると自然災害以外でも、交通事故などでも

不慮の死ということはあるんですよね。

畳の上で死ねると思うなよ、なんて言葉がありますが、

最期に父から息子に大切な時間を作れるというのは

実に恵まれて贅沢なことなのだなあと思いました。

大阪国の存在は必要かどうか分からなくても、

あの廊下は大切にしたいかんじです。

(でも年間5億の予算は多いよね?)