『「通貨」を知れば世界が読める』
つい先日、こんな本を読んだ。
内容は、三分の二くらいまでは各国の通貨と為替の歴史。
円は対ドルでいくらくらいだったとか、金本位制だとか。
私のような知識ゼロの素人にとっては、
世界史の中から通貨のパワーバランスのうつりかわりや、
金本位制とはどういうものだったのかを取り出して、
新書サイズでざっくりと教えてくれる良い本でした。
基礎的な流れがよく分かり、(なるほどそういうことだったのか!)と
言いたくなるところが何度もありました。
たとえば2010年6月のトロントで行われたG20 の声明の意味の解説。
「成長にやさしい財政再建」と訳せるのだそうで、
本来、相反する財政再建と経済成長のどっちも選べませんでした、
ということらしい。
ってことは・・・ついこの間(2012年)の会議でも同じ結論だったよね?
ただ、副題に(〝1ドル50円時代〟は何をもたらすのか?)と書いてあるのですが、
残り三分の一くらいで現状とこれからの見通しなどの持論展開に入ったとたん、
(ぶきっちょな誠意)だの(わくわくする)だのといった言葉がちりばめられて
急に、石井ゆかりの筋トレ週報みたいになってしまいました。
石井ゆかりの筋トレ週報はそれなりに根拠があって、
がつんと、と書かれていれば、ああハードアスペクトがからんでるんだな、とか、
わくわくする、といえば金星が入ってくるのかな、とか、
西洋占星術なりの裏付けがあり、全体の空模様のコーナーなどで
解説があるわけですが、
この本の場合は、未来予測に対する説得力がありません。
過度に楽観的でもかまいませんが、経済の本なのですから、
もう少し予想に対する根拠やデータを書いてもらわないと、
ただ情緒的になられても困ります。
が、しかし。
とても前半が気に入ったので、もしかしたら予測部分について
細かく検証したものが書かれてるかもしれないと期待して、
つづきとおぼしき本を買ってしまった。今読んでいる。
↓ こちら。
うーん・・・まだ最初の50ページくらいなんだけど、まあまあかな。
結論としてこの人は、
1ドル50円の時代が来るけれども恐れることはない、
なぜならその頃にはドル決済の役割が下がっているからだ、
これからは地域通貨が力を持ち、基軸通貨ではなく多角的な決済の時代がくる、
・・・・・・というような主張のようだ。
なるほどねー。そのうち、そんな日もくるかもね-。
くらいに思っていたら、今日、
日本円と中国人民元を、直接取引をする市場をつくる、
早ければ来月中にも運用をはじめるらしい、
というニュースが!
びっくり~。
これは・・・世界が動きますねー。
中国はますます強く。アメリカは弱く。
そーいや6月にはまた天王星と冥王星のスクエアがタイトになって、
グランドクロスができたりするんだっけ・・・ってこれは西洋占星術ね。
うーん。えらいことになってる。
私も、円高は必ずしも悪いばかりじゃないとは思うけど、
1ドル50円になったとして、ドルの役割が下がっていたとしても、
そこで他の通貨たちに比べて円だけが高いっていう状態になったとしたら、
それは、勤勉な日本人たちにとってあまり幸せな状態じゃないような気が。
- 作者: 浜 矩子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/05/26
- メディア: 新書
- 作者: 浜 矩子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2012/04/19
- メディア: 新書