「借りぐらしのアリエッティ」
ジブリ作品らしさを感じる映画でした。
絵がとても美しくて、叙情的で、原作の良いところをいいかんじに生かしてくれてます。
原作が好きな人はこれも好きなんじゃないでしょうか。
原作の舞台はイギリスの屋敷ですが、これを現代日本にもってきていて、
敷地の広い古い洋風建築の家ということになっているようです。
アリエッティのお部屋が色彩豊かですごくかわいらしくて素敵でした。
床下の家から人間の生活スペースに行くところの仕組みだとか、
草や昆虫やカラスなど何もかもが大きいところなどなど、みどころが満載でした。
アリエッティが膝にのせたダンゴムシはナウシカの王蟲の子供にそっくり。
ただ、
どうして声優さんたちは全員、プロの声優さんじゃなくて
俳優さんたちばかりなんでしょうね。こだわりがあるようですけど、
それにしてはオープニングの曲の歌声があまりにもアニメ声で、なんだかなあです。
このあいだ実写版「ガリバー旅行記」を観たばかりなものだから、
キャストはそのまま、お父さんが三浦友和、お母さんが大竹しのぶ、
アリエッティが志田未来、人間の少年が神木隆之介、お手伝いさんが樹木希林、
屋敷の家主を竹下景子のままで、実写でやってもいいかもしれないと思ってしまいました。
アクションは大変だろうけど、今の技術ならやってやれないことはないだろうし、
なにより、俳優さんたちの声にはその俳優さんのイメージが濃くつきまとって、
アニメーションの方の演技との間にズレを感じてしまって、
(この俳優さんだったらもっと微妙な表情で感情表現してくれそうなのにな・・・)
なんて思えてしまうのです。名優ぞろいですから。
でも特殊効果つかって実写でやるより、ジブリ作品の方がお客さんが入るんだろうな~。
- 出版社/メーカー: スタジオジブリ
- メディア: DVD
たしか原作では、この後、洞穴でしばらく暮らして苦労するんじゃなかったかな。
文明的な近代的な生活様式から、まるで原始人たちのような生活をすることになり、
借りぐらしというよりは狩猟採集生活になるんだったような。
お父さんが怪我をしたときに助けて現れたスピラーの身なりが、
続きは描かれてないのにちゃんとそれに合わせてあって、
なるほどそうきたかと思いました。
なんだかんだ言ってこの映画好きなんですけど、
オープニングの曲とエンディングの曲の歌が、どーしても生理的に受け付けない。
なんでわざわざ下手な日本語で、鼻づまりみたいな声で歌わせるんでしょう。
波多野睦美あたりにお願いしてくれたら良かったのに・・・。
ところで。
この映画が語る教訓は、
「小さい人をみつけても、声に出さずに知らん顔をしてあげましょう」
ということでいいですよね?