ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」

雑踏で主人公のマ男(小池徹平)が過労で倒れるシーンから始まる。

やつれきった血の気のない顔、汚れた服のままでパソコンに向かい書き込みをする。

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

そして回想は入社した半年前へ・・・・・。

お仕事をテーマにした映画はいろいろありますけど、

なんというかこれが一番身近でリアルのような気が。

プログラマーの世界は知らないんですけど、入社して理不尽なことがいっぱいあったり、

やたら残業の多い職場では能力より体力が大事なんて語られたりしていて、

(あ~、あるある)なんてうなづいたり、

(あ~、これやってたら長続きしないよー!)って思ったり、

(このセリフはリアルで言われたことがあるなあ)って思ったり。

でも暗い内容を扱うドラマだけど、ときどき挟み込まれるイメージシーンが

コミカルなかんじで効いてて観やすかったです。

いったいこの映画は最終的にどこに行き着くんだろう、と思いながら見ましたが、

希望のもてるラストでよかったです。

ある程度主人公の努力はむくわれてるし。

まあいちおう、めでたしめでたし。

だけど・・・・実際にはもっと前にカラダか心を壊しちゃうよね。

食事をカンタンに抜いちゃうのはだめだよ。

こういう働き方してたら、半年はもっても3年はもたない。

ダンナの以前の職場は2年連続で新人が飛び降りたことがあり、

職場はどう対応するのかと思っていたら環境を改善するのではなくて

窓を開けられなくしたのだそうだ。

就業時間中に荷物を部屋に置いたままで行方不明になっちゃう人、

大事な書類をなぜかシュレッダーにかけてしまった人・・・・。

10年もったら「卒業」できるんだけど半分以上は1年~2年でつぶれてしまう。

ストレスがかかると食欲が無くなる人と、食べることで発散する人がいて

どんどん痩せるかどんどん太るかどちらからしいけれど、

食べない方からつぶれていくそうだ。

世間ではある程度名前の知られたところだけれど

まさかそこまで過酷な仕事ぶりだなんて田舎の親は知らないから、

(ええ、私もまさかそんなだなんて結婚するまで想像すらしませんでしたよ)

話をしても分かってもらえなくて、それで余計に追い詰められてしまうのだ。

この映画は、限界かもしれないと思ってももうちょっとガンバレ!ってエールを送るけど、

たしかに人間関係が気まずいだけだったらそのまま居座れって言いたいけど、

私は、食事がとれない睡眠がとれない職場は、本格的に壊れてしまう前に

本気で転職活動を始めるべきだと思う。