ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「月に囚われた男」

月にエネルギーの採掘基地があり、そこで任期3年でたった一人で勤務を続ける男。 あと2週間で地球に帰れる。帰還を楽しみにする彼は採掘場で事故に遭い、 それから何かがおかしいことに気付きはじめる・・・・・・という話。 バリバリのSFなのですが、見応えのある大人のヒューマンドラマでした。 がんばってネタバレを読まないように我慢してきて良かった。 予想してたのと全然違う展開でした。 実は幻覚でしたとかそういう系かと思ったけどまるで違いましたね。 あと思ったのは、SFは新しいのがいいかもしれないな、ということ。 居住区にしても乗り物にしても私は良くできてるなあと思いました。 会社の、従業員用の居住区ってなるほどこんな感じかも、と。
あんな場所で一人勤務じゃ、何かあったときの交代要員が居ないじゃん、 と思っていたらそう来たか!というかんじでした。 なるほど納得ではあるけど・・・・。 あのロボットアームのお世話役ロボットの人工知能がなんとも 人情味があるというかなんというか、思いやりがあるところに 救いのようなものを感じました。 メンタル面をサポートして安定させるためにプログラムされたのでしょうが、 もし感情のようなものがあるとしたら見続けるのも辛いだろうなと思ったり。 答えにくい質問には話をそらすのは高度な技能だなあと思ったり。 任期3年というのも、なぜ3年なのかなんとなく分かってくるのも悲しいし、 月でひとりきりで孤独だと思っていたものは本当の孤独ではなかったというのも悲しい。 これ、似たような隔絶された環境で仕事をする人が観たら不安になっちゃうだろうな。 悲しい映画だけど。 すごくすごく良くできた傑作だと思います。