ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

何倍も

娘が中学校から持ちかえる土産話。

-----------------------------------

部活の部長をしていた友達Hは、体育会系熱血タイプだ。

つい先日、2年生に役職をゆずったばかりである。

いろいろ心配しているのだそうだ。

なかでも同じパートの1年生Kくんの態度が気になるらしい。

声が小さくて返事してるのかしてないのかよく分からない、

問いつめると逃げていってしまうし、すぐサボる、

ひょっとして私、ナメられてるのかなー、

と、Hちゃんはこぼすのだそうだ。

他の部員ともあまりうち解けて話をしないらしい。

そういうわけじゃないと思うよー、

無口でシャイなだけじゃないかなー、

と答えつつ、

(ほっといても大丈夫だよ。たぶん。)

と娘は思ったそうだ。

なせならその1年生Kくん。

3年のH先輩の前ではそんなふうだが、

家が近所な2年女子のDちゃんとは仲良しなのだ。

たまたま移動の時に1年Kくんと2年Dちゃんと一緒になって

聞くとも無しに2人の会話(目玉焼きはどうあるべきかについての議論)を聞いていて、

Kくんがこれだけしゃべるのはめずらしいなー、と思ってポロッと

「仲良いねー。」

と言ったら、1年Kくんが猛然と

「仲良くないですよ!D先輩なんてだいっきらいですから」。

え、と思って2年Dちゃんを見たら、Dちゃんも

「仲良くないですよ!私なんてKのこと10倍きらいだもんね」

そこにKくん 「じゃあオレは100倍きらいだもんねー」

さらにDちゃん 「じゃあ私は1000倍きらいだもんねー」

Kくん 「じゃあオレは10000倍きらいだもんねー」

Dちゃん 「じゃあ私は100万倍きらいだもんねー」

Kくん 「じゃあオレは一億倍きらいだもんねー」

Dちゃん 「じゃあ私は・・・・・」

娘は含み笑いをかみ殺しつつ、そっとその場を後にしたので、

この先は聞いていないとのこと。

------------------------------------------

ここまで読んでくださった大人のみなさん。

KくんとDちゃんの会話に、妙にうらやましいような懐かしいような気分になってしまったのは私だけではありますまい。

娘には、「Kくんって、ツンデレ?」

と聞かれた。

たぶんそうだよね。