「崖の上のポニョ」ネタバレあり感想続き
見終わってからなんとなくひっかかるものが多すぎて、
いろいろ他の人の感想を見てまわっていたら、
実は全員亡くなっちゃってるんじゃないか、という説があった。
なるほどー、と思った。
ポニョの本名はブリュンヒルデという名前なんだけど、
なんかありそうだなー・・・と思っていたら、
なんと「ニーベルングの指環」というお話の中に出てくる
ヴァルハラに死者を導く女神の名前なのだそうだ。
ちょっと調べてみたら、
北欧の神話によれば、死者は聖なる山で生き続けるのだそうで、
ヴァルハラとは聖なる山に建つ、戦死者の住む宮殿の名前である。
540の扉がある大きな館なのだそうだ。(出典:Wikipedia)
みんな山の上のホテルに行ってるからねー、という町の人のセリフは、
わりと単刀直入だったんですね。
そう思うと納得がいく。
津波と海面上昇で、町は全部海の中に沈んでしまった。
あの台風の中であのスピードで水位が上がっては、
車椅子のお年寄りを全員避難させるなんてムリだ。
家も町も全部水に沈んでしまったのに明るく楽しそうな町の人たち、
食べ物も何も持っていないのにのんびりと幸せそうにボートで漂う若い家族。
あの津波では逃げられなかった人も多いだろうに誰も心配そうにしないのはナゼ?
そんなの感覚としてついていけない・・・、と思った事の説明がつくのですね。
みんなで天国に行くのですから。
たとえばグリム童話などは子供向けと見せかけて
中身をよーく考えると残酷で血なまぐさかったりするし、
いろんな神話というのも荒唐無稽だったりするから、
そのあたりを踏襲した作品なのでしょう。
作品に対する好き嫌いはかなりくっきり分かれるようで、
ぽにょ可愛い!大好き!童心に戻って楽しめる♪、という人と、
違和感がある、怖すぎてザワザワする、という人に分かれるのは、
たぶん狙い通りなのではないかと。
私の場合は、観終わったときには違和感を感じて、
そのあとで思い出してじわじわじわじわ怖くなっていく映画でした。
それから、ひょっとして監督は、
(地球温暖化しちゃって人間が滅亡しちゃったら
それはそれでいいんじゃない?海の生物の時代、
カンブリア紀から地球はやりなおせば。
なーんて大きな声じゃ言えないけどねー。)
なんてことを考えながらこの作品を作ったのかも?
勝手な想像ですけど。