「天使と悪魔」 (文庫)
「ダ・ヴィンチ・コード」と同じ著者による本。
「ダ・ヴィンチ・コード」を読み終わった時にこの作品のことも気になっていたんだけど、まあいいか、で済ませていましたが、映画化されて本屋で山積みになっていたので読んでみました。
今回読んだ「天使と悪魔」の方が先に書かれたそうです。
「ダ・ヴィンチ・コード」よりも「天使と悪魔」の方が冒険サスペンス色が強くて娯楽色が強くて、なおかつラングドン教授がカッコイイ。(笑)ちょっとインディジョーンズっぽいんだけど、超人的なアクションがあるのでジェームズポンドも連想してしまいました。映画の方ではどんなふうにしたのかな。
自宅で就寝中のラングドン教授のところに電話がかかってきて、
無視してると、えげつない死体の写真のファックスが送られてくる。
胸には「イルミナティ」という大昔にあったとされる伝説の秘密結社の
焼き印を押されている。
FAXしてきた相手は、宗教象徴学専門のラングドンに協力を求め、
ラングドンはスイスの物理学研究所に行くことになる・・・・というところまでで
最初の一ミリくらい。
上巻・中巻・下巻に分かれてて長いのですが、
テンポも良いし波瀾万丈で、はまりこんで一気に読めました。
舞台の中心はヴァチカンで、
実際にある教会や美術品がたっぷり出てきます。
もちろんウンチクも盛りだくさん。
この作者ならではですねえ。
今回の美女は健康的でちょっと気の強いイタリア美人。
行動的で魅力的で、映画の方ではどんな女優さんなのか
興味があります。
物語の主題は、宗教と科学との対立です。
アメリカでは今でも進化論を全否定する人たちがいっぱいいて、
学校教育で教えるかどうかでもめたりするそうですね。
宗教にはまり込みすぎて、自分の子供に医療行為を受けさせないって親の話もたまに聞きますし。
(そのお医者様を神様がおつかわしになり、医療行為を受ける機会を与えてくださったとは思わないんだろうか?)
その真逆の人も居ますよね。
目に見えない、計器で測定できない存在なんて一切信じない、
霊が見えるなんていうのは全て、見たと言い張る人物の妄想や幻覚だという人。
ちなみに私は、これだけ占いに凝ったりぽつぽつ霊体験があったりしてるにもかかわらず、どちらかというとちょっとだけ科学寄りではないかと自分では思っています。なぜなら、霊とか精神っていうのはそのうち科学的に物質が発見されると思うから。
きっと、ものすごーくものすごーく小さくて、壁だの地面だのの分子とか原子の隙間を通り抜けるくらい小さくて、もやもや集まってるんじゃないかと思うんだよね・・・。よく分かんないけど。
だから、このお話の中の最初の被害者が、
科学によって聖書が正しいことを証明してみせる、と思う気持ちには
すんなり素直に、そうだよねえ、と共感しながら読むことができました。
今の時代、大多数の人はそうだろうと思うけど・・・・いや、どうなんだろう。
あと、読み終わった感触だと、この作者は私よりもさらにずーっとずーっと科学寄りなのかな?という気もしました。(これってネタバレになっちゃうかな?)
それにしても面白かったなー。
虚実入り交じってどこまでホントでどこから創作と想像なのか、
知識の乏しい私にはよく分からないんだけど(一般の読者はみんなそうだよね?)
それも含めて面白い。
んで、どんでん返しでビックリして、
うわー、びっくりしたなーって読み進むと、
さらにまた登場人物の「そうきたか!」って展開があったりして、
凝った話だなー、と思いました。