ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「キサラギ」

今、観るのは限りなく不謹慎かと思いながら見始めた。

しかし随分前に予約リストに入れていながら人気が高くてなかなか順番が回ってこず、

やっと、やっと送られてきたのだ。そういうわけで何か後ろめたい気がしながら鑑賞しはじめた。

最初から最後まで一つの部屋で、男ばかり5人で進められる密室劇。

あるアイドルの一周忌に、そのアイドルのファンが集うネット掲示板のオフ会が開かれる。

お互いにハンドルネームしか知らない彼らの会は、

彼女が本当に自殺だったのかをめぐって、思わぬ方向に転がり始める・・・・。

すごいっすよ。この映画。

脚本と役者さんの力でここまでやれるんだ、と圧倒される気持ちになりました。

ちなみにその5人の役者さんは、

香川照之ユースケ・サンタマリア塚地武雅小栗旬小出恵介

今まで小栗旬って全然気にしてなかったけど、

こんな実力派の役者さんだったんだ、と感心しました。

あと前からユースケサンタマリアの役者っぷりは良いなあって思ってたんだけど、

この役のシリアスなのはこれまた良かった。

登場人物の素性が明かされるたびに、「え~っ!!」と驚き、

明かされていく事実に、「おお~、」と思い、

シリアスな場面の後でふいに訪れる小ネタに、くすっと笑えて。

犯人の疑いがかかってる緊迫したシーンで、

「(脱いだ服の)に、におい嗅いだのか?」

とかいうファン丸出しのセリフが挟み込まれたりするたびに、

ふっと笑えるんですよね。

家元(小栗旬)がいじけるシーンが、なんか可笑しくて好き。

ファンの気持ちとか、なぜ物置だったのか、とか、

5人のたどり着いた結論にもう涙、涙。

もう、ボロボロ泣いちゃって。

本当に観て良かったです。

実に良かった。超オススメです。

特に、誰かのファンになって切り抜きをファイルしたことのある人や、

ファンサイトを覗いたことのある人は、是非。

映画の神様、この映画を今年の年末に私に引き合わせてくれてありがとう。

ところでこの映画、近く舞台化されるそうですね。

先に小劇場向けの戯曲があるのかと思ったらそうじゃないみたいですね。

これ見たら役者さんたちは自分が舞台でやってみたくなるだろうなあ。

劇場で集中して見るのはすごくいいものだけど、

映画はカメラを切り替えて表情がしっかり見られるのがイイですね。

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先日亡くなっているところを発見された飯島愛さんは、

当初自殺説もありましたが今はインフルエンザ説が有力のようです。

これほど日本中に惜しまれると思っていらしたかどうか。

彼女のコメント好きでした。

ご冥福をお祈りします。