ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「Dear フランキー」

イギリスでつくられた地味であたたかい作品。
絶対のオススメです。

9才の少年と、その母親と祖母の3人家族は引っ越し続きだが、
実はそれは暴力をふるう父親から逃げるためだ。
少年には、父親は船乗りで世界をまわっていると伝えてある。
少年が父親に書いた手紙はこっそり母親が受け取って読み、
父親のふりをして、さも外国にいるような文面の返事を書いている。

ある日父親が乗っていることにしてある船が近くの港に寄港することになり、
少年は父親が会いに来てくれるかどうかクラスメートと賭をする。
母親は悩んだ末に、一日だけ父親のふりをしてくれる男を捜す。
友人の紹介でやってきた素性の知れない男に金を払い、
心配しながら息子を託す。男ははじめはぎこちないが、
だんだんと少年の父親であるかのような気分になっていく・・・・

というお話。

これがねえ。父親のふりをする男がかっこよくてねえ。渋くて。
よく見ると「オペラ座の怪人」の怪人役だった俳優さんなんだけど、
いやもうこっちの方が断然素敵だ!惚れるー。
苦み走った大人の男って感じ?ちょっと困ったような表情がまた魅力的。

Dearフランキー

Dearフランキー

  • 出版社/メーカー: ハピネット
  • 発売日: 2007/02/09
  • メディア: DVD

以下ネタバレあり

最初のうちは、こんな嘘つくくらいなら、真実を話して、だけどDVの父親には会わせない、
っていう選択肢もあるんじゃないかと思いながら観てたんだけど、
後にそのDVダンナが登場すると、あちゃー、これじゃあ会わせたくないよねー、
と納得。

母親が可憐なんだ、これが。
謎の男もいい人そうだし、こいつと再婚しちゃえばいいのに・・・でもどんな人だか
よく分からないのよね、まだ2日しか会ってないのに・・・と思って観ていたら、
最後の最後で素性が明かされる。
彼を紹介した友人(マリー)が素敵だと思った。
あんな大人になりたい。
人生を楽しんでて、優しくて、困ってる人には助けになれる。

賢くて読み書きが得意な少年はいろんなことを知っていた。
いつ真実を知ったんだろうな。
・・・もしやクローゼットの中を見た?
小さい息子のかわいさは格別だというけど、ちょっと分かった気がする。
泣けるー。