「ブルーに生まれついて」
とあるコンピレーションアルバムからチェットベイカーを知り、
気に入ってアルバムを4枚聴いて、
チェットベイカーを描いた映画があるというので借りてみた。
チェットベイカーというのはジャズミュージシャンで、
トランペットとボーカルの人。
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刑務所の檻の中で幻覚を見て目が覚めるシーンから始まる。
チェットベイカーが自分の若い頃を演じる映画の撮影期間中に
麻薬がらみのトラブルで歯やあごなどを折られて重傷を負い、
映画は当然打ち切り、機能的にトランペットが吹けない状態になる。
どん底の状態から練習し、ステージに復帰するまでの映画。
・・・・ということになるんでしょうけど、
ひとつの恋の始まりから終わりまでの、恋愛映画かもしれません。
まあね、もう、なんというか、
バンドマンだけはやめておけ、なんて聞きますけど、
さもありなん、ってかんじ。
それに加えて薬物依存症なわけです。
途中で
「床屋に長く座っていると髪を切られる、という格言があるだろ、」
と保護観察官が言う台詞があるのですが、
どうやら当時のミュージシャンの周りには麻薬がつきもののようで、
ファンがサインを頼むついでにこっそり渡してきたりして、
まったく油断も隙もありゃしない。
映画だけだと、こんなやつのいったいどこが良いんだ、と
女優志望の恋人に言いたくなるけど、でもねえ、
CDを聴くと(しょうがないかな・・・)と思えてくる。
キャンディみたいだ、と大物に酷評されたらしいけど、
甘くてキャンディみたいで何が悪い。
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映画の結末は、せつなく悲しいです。
それにしても、
私が聴いている音源のあとで
こんな代償を払っていたとは。
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翌日追記。
見てすぐ書いたときには
「その他映画」の書庫に入れていたんだけど、
あまりにもチャプター10以降のイーサンホークが見事なので、
別の書庫に入れようと思うんだけどどこにしようか迷ってる。
この映画は面白かったという語感にはそぐわないし、
大好きかと言われるとそうじゃない。
書庫にこういう名前を付けた過去の自分がうらめしい。
星の数とかにしときゃよかった。
これは最後のシーンのためにそれまでがあるタイプの映画だと思う。
あと、とにかく、音楽が抜群に良いんです。
ちなみに「I've Never Been in Love Before」は
本家よりこの映画のイーサンホーク版の方が好きだ。
少々ネタバレになるが、
チャプター10の楽屋の鏡の前で、あれは明らかにやれって言ってるよね。
1度目に見たときには分からなかったけど、
あれはやるように仕向けてる。
メガネのおっさんも悪魔に魂を売ってると思う。
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