ぼちぼちおうち生活

浅く薄く移ろいゆく趣味と住居の覚え書き。

「ボクたちはみんな大人になれなかった」

本当は文庫になるまで待ちたかったのだが、

待っていても文庫になるかどうか分からないことに気づいて、

仕方がないから本屋で取り寄せて単行本で購入。

ここまでにネットで公開された分を読んでいたこともあり、

1年くらいTwitterでフォローしていたし、

そろそろ課金しないといけないんじゃないかという気がした。

課金しないと次が出ないんじゃないか、とも思った。

課金したのは正解だった。

ここまでの文庫本マイブームでいろいろ読んだけど、

この年齢で読むのにこの本はジャストフィットだった。

同じ時代に同じ東京で生きてたはずなのに

全くの別世界にいる登場人物たちと、

どこかハードボイルドで叙情的な空気感、ドライブ感。

なにより、読んでいる途中で、

ブログに自分の物語をげろりたくなる危ない本だった。

40代以上の大人にオススメ。

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった

  • 作者: 燃え殻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2017/06/30
  • メディア: 単行本

でね、

取り寄せて本を開いて読み始めて、

初っぱなに思ったのが、

(この人、モテないだろうなー )。

なぜなら。

「自分よりも大切な存在」だの、最愛の、だのと言いながら、

いきなりあんな大きなフォントでブスって書くのだ。

何回も何回も、ブスって。

あのさ、本人が「私ブスだから」って言うのは、

ブスだって言われたくないから予防線張るわけでしょ。

それにね、

たとえば、

彼女のほうでは自分のむっちり具合や体脂肪率を気にしてるけど、

彼氏のほうでは「オレの彼女、巨乳なんだぜ~」

って思ってて自慢の彼女だったりとか、

彼女のほうでは貧乳を気にしてるけど

彼氏のほうでは「オレの彼女、細身で華奢でむっちゃ可愛い」

って思ってたりとか、それが愛ってもんなんじゃないの。

オレの彼女、女優の○○にちょっと似てる、って言ってるけど、

友達は誰も同意しない、なんてことはよくある話。

なんだかなあ・・・冒頭の女の子にしても、

グラビアアイドルやってる若い女の子よりも、

実力者の女で美人のスーよりも、その彼女が好きなのだと、

そういうふうに言いたいのかもしれないけど・・・・・。

仕事が順調になって金回りが良くなっても、

連れていくのは数千円の安いラブホテルばかり。

すごい美人のコールガールと二股。

自分よりも大切とか、信仰に近いような気持ちとかいう相手に、それですか。

そりゃー別れた方がいいよ。

もっと大事にしてくれる男がどこかにいるよ。

(んで、実際いたわけだ。)

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とまあボロクソに語ってしまったけど、

こういう男の人って、いるんだよね。

少なくとも私は1人、頭に浮かんで、

(こういう思考回路なのか!)と、

謎が解けたような気分でした。

うっかり付き合わなくて良かったわー。

好きだ=大切にする、ではないし、

信仰に近いような気持ち、と、下に見るのは両立するのね。

とても勉強になりました。

俺たちは天使じゃない」みたいな雰囲気で

映画化するといいかも。

そしてこの本は、

気心の知れた女子5~6人で集まって、

言いたい放題で感想を語り合うと楽しいだろうなと思いました。

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作者の実体験と創作がどのくらいの割合でミックスされてるのかは分からないけど、

次回作も楽しみ。このくらい売れたら出るよね?