「マルタのやさしい刺繍」
主人公のマルタは80才の老女。
9ヶ月前に夫に先立たれてから立ち直れず、
生きる気力も無くして空虚な日々を送っている。
何をしても楽しくない。
そんなマルタを仲良しの友人たちは心配している。
ある日、マルタは街に出なければいけない用事ができた。
いっしょに行ってあげるから喪服以外の服を着なさい、と
友人が服を選ぶのを手伝っていると、
クローゼットの中から箱を見つけた。
中には素晴らしい装飾をされた美しいランジェリーが。
驚く友人にマルタが話す。
実は、昔、裁縫の仕事をしていたというのは、
こういうランジェリーを縫っていたのよ・・・。
街の布地屋でレースを見て、
街のランジェリーショップで商品を見て、
マルタは昔の夢を思い出す。
昔はパリに自分のお店を出すことが夢だった。
そうよ、窓にはベルベットを、試着室には光沢のあるグリーンのカーテン。
マルタには夫と営んでいた食料品店があるけれど、
ひとりでは手が回らなくなっていた。
その場所を使って、今こそ夢を叶えてはどうだろう。
生き生きと活動を始めるマルタ。
しかし、保守的で封建的な小さな村では、
そんな破廉恥な店と言って反対されて・・・・・・・・・という映画。
舞台はスイスの小さな田舎。
なんとなく、もっと昔の設定なのかと思っていたら、
なんとなんと、インターネット通販が出てきた!
バリバリに現代のお話でした。
いくつになっても、自分で自分の人生を良い方にもっていくために
新しい事に挑戦する勇気と、夢の実現。ときめき。
う~ん、いい映画です。
ところで、
破廉恥な、とか、いやらしいっていうけど、
出てくるのがそんなエッチな感じの下着じゃないんですよね。
品が良かったり可愛らしかったり。
あれでダメだということは、村の女性たちはいったい
下着をどうしているんでしょう?
ベージュ一色で飾りも刺繍も一切禁止?
というか、あの保守的な男の人たちは、
自分の奥さんたちが下着をつけてることを知らないんだろうか。
まあね、でも、たしかに、
いきなり往来の路面店のランジェリーショップに入るのは勇気がいる。
あのお店はけっこう広さがあるんだから、
道路に面したショウウインドーと入り口側半分は
女性向きのカワイイ物屋さんにしてレースたっぷりの小物ポーチとか
陶器のお人形とか並べておいて、その奥に入ってはじめて
ランジェリーが並んでて、一番奥に試着室・・・とかにすると
もっと軟着陸できたんじゃないかな~。
あと、マルタのお友達の一人(けっこう保守的)は、
ダンナさんを病院に連れて行くために運転免許を取るのです。
最近、私はペーパーと化しつつあるところなので、
せっかく取ったんだからがんばって練習しなくっちゃなー、と思いました。