「だれもがクジラを愛してる。」
アラスカの北極圏にある小さな町が舞台。
そこに住む人たちは主に狩猟で生計を立てていて、クジラも獲る。
湾には分厚く氷が張って雪原のようになるのだが、
その厚い氷にあいた穴にクジラの親子がとじこめられた。
その種類のクジラは口先がやわらかくて氷を砕くことはできないし、
海氷のとぎれる場所までは遠すぎて息が続かないため、自力での脱出は不可能。
その町に滞在中のテレビレポーターはその様子を取材し、
クジラたちが狭い海面で苦しそうに呼吸する姿は視聴者たちの心をつかんだ。
なんとかして助けてあげたい・・・。
地元の漁師たちは、このままでは弱って死ぬだけだから捕獲しよう、
という方針だったが、
(狩りの様子をテレビで見る人たちは流れる血しか見ないだろう)
と、伝統に対する誤解を避けるために救出に協力することに。
グリーンピースの活動家の女性は、どうしてもクジラを救出したい。
近隣地域での資源開発に乗り出したい石油企業の社長は
企業イメージを上げるために協力を申し出た。
取材のテレビカメラもどんどん増える。
支持率を上げたいホワイトハウスまで乗り出してくる。
普段なら会うことの無い人たちが「クジラを救う」という一点で
集まり協力しあうが作業は難航。
そして行き詰まった救出作戦は、ついにソ連の砕氷船に協力を仰ぐ。
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- メディア: DVD
原題は「BIG MIRACLE」。
邦題の方がずーっと良いと思います。
グリーンピースの活動家の女性をドリューバリモア。
最初に取材したレポーターの青年がほぼ主人公です。
予想したよりはバランスのとれた、
地元のイヌイットさんたちの描き方にも配慮した、
感情的すぎない良い映画でした。
実話を元にした映画なのだそうで、映画の最後に、
映画の中のシーンと実際の当時の映像を並べて出していて、
(こんな人なんだ~)って面白かったです。
ヘリで牽引をした大佐とホワイトハウスの人って
本当に結婚してたのね。
クジラを救いたい気持ちは分からなくはないけど、
アメリカ人ほどクジラを好きなわけではないので、
人の命を危険にさらしてまで(ヘリのパイロットとかね)
やることかなあ、と思わなくもない。
でも、イメージ戦略とか、別の収入に結びつくところとか、
いろいろな波及効果について知ることができました。
クジラの大和煮が好きな人もぜひどうぞ。
オススメです。