「シングルマン」
コリン・ファース主演で、
「第82回アカデミー賞主演男優賞ノミネートをはじめ、映画賞16部門受賞、24部門ノミネート! 」
という謳い文句につられて鑑賞。
16年間も一緒に暮らした同性の最愛のパートナーを、突然の事故で亡くした男が主人公。
何をしていてもふとした拍子に恋人との思い出が頭の中を占領してしまい、
毎夜悪夢にうなされて熟睡できない彼は、ついに自分で人生を終わらせることにする。
重要書類等を机にならべ、貸金庫の中身を引き取り、長年の友人に会い、
恋人と出会った思い出の店に行き・・・。
とても静かで、丁寧な心理描写が細やかな映画でした。
主人公の部屋や持ち物が洗練されていて、
とても美しかったです。
見終わった後になって、この映画の監督はこの映画が初監督作品で、
もともとは著名なデザイナーさんなんだと知って、なるほど・・・と思いました。
最終的に彼は心臓の発作で亡くなってしまうのですが、
その前夜に彼を慕う学生とのやりとりがあったことで癒やしと希望になったこと、
亡くなるまさにその時に最愛の恋人に逢えたことなどが、
彼の救いになって、いい最後だなと思いました。
あとなんというかこんなこと言っちゃなんですけど、
やっぱりコリン・ファースはとっても素敵。でした。
同性での恋愛相手というと、まずは出会い自体がなかなか難しそうな気がするんだけど、
(そもそも異性の恋人だってそんなに簡単なわけじゃないよね?)
この映画はわりと簡単に、同じ傾向のある若くて綺麗な男の子と出会いがあって、
やっぱり外見も良くて地位と名誉と財力もある魅力的な男には
いくら母数が少なくても、ちゃんと、恋人になりたい人が寄ってくるものなのかなー、
なんて思いました。でもそんな言い方すると身も蓋も無いよね。
上質な映画だと思います。
オススメですけど、若い人にはどうかなあ。
あと、もしかしたらこの映画を一番好む層というのは、
映画の賞を選考するおじいさんたちかも。