「アヒルと鴨のコインロッカー」
お気に入りリストに入れてから随分経つと、なんでリストに入れたのかすっかり忘れる。
これが送られて来て、内容も登場人物も借りようと思った理由もまったく思い出せないけど、まあ題名が牧歌的なカンジだしあんまり怖いやつとかホラーとかは入れてないはずだからまあ大丈夫だろ、と思ってまっさらな状態で見始めた。そしたら。
まったく牧歌的じゃないミステリーでした。
物語は、青年が大学入学のためにアパートに引っ越してくるところから始まる。
濱田岳が演じるその青年がアパートの前で畳んだ段ボールをまとめていると、隣に住む男に声をかけられる。
反対側のお隣さんにそっけなくされたのに比べてやけに親しげで、そこはかとなくうさんくさい。うさんくさいが巧みな話術にのせられて、なぜか本屋から広辞苑を一冊盗み出す手伝いをすることになってしまう。カワサキと名乗るその男は「ペットショップの店長をしているレイコの話は信用するな」と言うが、出会ったレイコは正義感の強そうな大人の女性だった。カワサキは信用できるのか、いったいどういう男なんだろう・・・・と観ている人たちが思う、ここまでが映画の前半。
(いったいこの映画、どういう映画なんだろうな。不思議系のロードムービー?ほのぼのしてる雰囲気でもないし・・・。なんで借りたんだっけ?)と思いながら、着地点も展開もどういう方向の映画なのかもまったく読めずに、ほんのすこし散漫な印象を受けながら見ていくと・・・
えええーーーーーっ
ちょっと怖いです。
そして明かされる謎と、きれいに拾っていく伏線。
ずっしり胸に残る映画でした。
悲しくて切ないお話です。
2年もの間、ドルジは1人の部屋でICレコーダーの録音を何度聞き返したのだろう。
全てを暗記し、内容を完全に身につけて、口調からなにからすっかり染み込むまで。
自分がなにげなく言った言葉をそのまま実行してしまった彼を見たらコトミはどう思うだろう。
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