のだめカンタービレ・ドラマ編
のだめカンタービレを見るのが辛い。
原作に思い入れの深い作品がドラマ化するというのが
難しいとはよく言う話で、それをしみじみ感じている
ところである。
で、全然見るに値しない作品なら完全無視でいいのよ。
これがねえ・・・小物は良く出来てるわ、画面の色合いが
可愛いわ、使われる音楽の演奏は上手で値打ちありだわで
見ないわけにはいかないのよ。
それにあの真澄ちゃん、どういうことよ。
まるでマンガの方があの真澄ちゃんを見て描いたかと
思われるような出来映え。何者?
毎回、真澄ちゃんを見ては惚れ惚れしちゃうのよね。
主役の二人については正直イメージに合わなくて、
前回のNHK朝の連続ドラマ純情きらりの宮崎あおいの方が
だんぜん楽しそうに自由に弾いてる感じが出てて よかったな、
千秋さまもルックスはいいけどセリフがいつも単調。
なんてことはまあ仕方ないと思うのだ。
ベストではないにしろ及第点だと思うし。
しかーし。
そんな楽しんで見てるゆるんだ気持ちに、
いきなり冷水を浴びせかけるようなシーンが
出てくるのよ。
前回はラフマニノフの二番、第一楽章の演奏を始めて
まもなく、なんと演奏中のコンサートホールの扉を開けて、
のだめが客席に入ってきた。
たとえ学園祭とはいえ、クラシックの演奏ですよ?
しかも指揮は巨匠。
入ってくるのが大阪のおばちゃん@クラシックコンサートは
初めて、っていうんならまだわかるけど音大生。
それも入ってくるタイミングが最悪。
コミックでいうと「一瞬にしてひきこまれた」ところから
オーケストラの大津波がやってくるあたりでしょう。
第三楽章の最後のじゃんじゃかやってるところならまだ許す。
第一楽章の初めだよ?
あそこでドアを開ける?
音が変わるだろうがバカヤロー!
しかものこのこ客席まで歩いてきやがる。
せめて第一楽章が終わるまでドアのところで立ってろ!!
そして今回。
一番誰もが「ん?」と思ったのは、
多賀谷彩子が飲み屋のトイレでのだめに会うシーンだよね。
のだめの手が大きいこと(=ピアノの才能)に気付き、
ああ・・・そこに真一が惹かれたんだって思うシーン。
「大きい手。」っていう一言が無いから、
ただ抱きついてくるのが好きみたいなかんじになっちゃって。
そうじゃないでしょう。
千秋さまはその人の音楽に惚れる人なんだから。
ピアノで手が大きいってのは大事らしいです。
ジュニアのコンクールで入賞していても、
手が小さいためにピアノの道を断念した人を知っています。
どんなに練習しても、物理的に弾けない曲があるのだそう。
しかーし。
それ以上に許せないシーンがありまして。
のだめと千秋さまが練習室でピアノを弾いているところに
ハリセンが見に来るシーンがあるよね。
あのハリセン役の役者さんの演技がどうしても許せない。
はいはいもう下校時刻だよーなんてのんきにやってきて、
ドアの窓から覗いてから何「おおっ」って顔してんだよ。
おまえは美大の教師か?
ずっとクラシックの勉強をしてきたのなら、
目で見るよりまず音でしょう。
音楽に身を捧げた人なら、まず廊下を歩いてきて
音が耳に入った時点で
「げっ!なんだこれは・・・」
「ピアノ科にこんな演奏できる奴いたっけ?誰だ?」
って思ってドアに近づいてのぞき込むわけでしょう。
たぶん作ってる側は、ウォーターボーイズ・スイングガールズ
に続く第3弾っていうか足して2で割ったっていうか
そういう気持ちなんでしょうけど・・・たしかに学生時代
のムードを作るのには成功してると思うけど・・・。
はあ。
思い入れが強すぎるってつらいですね。
次回からは黒木くんを見なきゃいけないからなー。
達彦さんの黒木くんはうれしいなー。